コンテンツサイトの運用方針
こないだ。とあるクライアント様のところへお伺いしたときのお話し。
お客様「コンテンツサイトみたいなのを始めたんですけど、最近は更新してないんです。どうですかねこれ。」
田村「え、どんなんですか?」
お客様「(PCカチャカチャー)これなんです。もう全然問い合わせが無くて。」
田村「はっはーーー。これはコンテンツサイトというより、説明長めのECサイトですねい。。。。」
業者さんから「これからはコンテンツマーケティングです!」と言われサイトを立ち上げ、投稿するコンテンツも全部任せていたそうです。そこには商品をひとつひとつ、1000文字ほどのテキストと画像で紹介する記事が並んでいました。「お買い得!」とか「大絶賛」とか。。
まあ、言わせていただくと、このクライアントさんにコンテンツサイトをやるように勧めたひとはコンテンツサイトのなんたるかをまったく理解していません(バッサリ)。
んじゃコンテンツサイトって何よ?ってなるわけですがその前に、なぜコンテンツサイトが重要視されるようになったのか、その背景を考えてみましょう。
ひとの購買行動モデルというのがあります。クッソ小難しいマーケティング用語みたいなのを喋るのは嫌いなんですが、今回は泣く泣く、できるだけみなさんが知ってるようなものを選んで使います。
一昔前は「AIDMA」っていうのがありました。
Attenntion(注目)➝Interest(興味)➝Desire(欲求)➝Motive(動機)➝Action(行動)この過程の頭文字を取ったものです。
これ、こういうことです。
テレビのCMでクルマを見た(Attention)➝うわ、かっちょええやんけ!と思った(Interest)➝これほしいなおい!(Desire)➝ちょうどあと3ヶ月後車検や(Motive)➝買うてもたがな(Action)
なんとなく似たようなことがあなたにもあるのではないでしょうか。でもやっぱりこれ「一昔前」なのです。今はこうはいきません。
「AIDMA」につづいて「AISAS」っていうのがあります。これは
Attention(注目)→Interest(関心)→Search(検索)→Action(行動)→Share(情報共有)という流れです。
ネットのニュースとかでiPhoneの新しいのが出ると知る(Attention)→こんどはなんかあたらしい機能あるんやろか?機種変しよかな。。(Interest)→ちょっと事前の評判とか調べてみよ(Search)→これはええわ。予約して買おう!(Action)→前のよりサクサクや!Facebookに投稿しよ♪(Share)
まあ、大体いまはモノを買うときってこんなパターンじゃないでしょうか。
最近はAIDMAではなくSIPSとかいうのもでてきてます。
SIPSは、共感する(Sympathize)➝確認する(Identify)➝参加する(Participate)➝共有・拡散する(Share&Spread)というプロセスになります。これ、僕はなんかしっくりこないので詳細は省略します。
AIDMAとAISASを見比べると、僕自身はぶっちぎりで後者AISASのパターンでモノを買うことが多いです。最初そのものを知り「注目(Attention)」、そのあと、かっちょええやんけ(Interest)になります。そのあと必ずスマホかPCで検索してその商品やサービスのことを検索します。AISASでいう「Search」ですね。
検索していろいろ調べた結果、問題無いと判断したら実際に購入(Action)して、そのあとソーシャルメディアとかブログでその商品のことを書いたり(Share)します。
スマホでもPCでも、カバンでも書籍でも、旅行どこに行くか考えるときも、どの宿に泊まろうか検討してるときでも、ほぼこのプロセスです。
何が言いたいかというと、
1.とにかく自社そのもの、商品、サービスの存在を、対象となるユーザーに気付いてもらわなければいけない。
2.消費者は購入する前に自分でその商品のことを調べるというステップがある。
3.購入後にスマホやPCから簡単に知人(もしくは知人の知人)までレビューを伝えることができる。
まず、これをアタマに入れておかないといけないということです。
これを踏まえて、コンテンツサイトです。
ハッキリいうとコンテンツサイトの主な役割は「Attention(注目)」です。商品そのものあるいはその周辺情報を展開し、「ウチの会社は◯◯の専門家です」「この商品は◯◯をする人にとって便利なんです」ということを、文章だけでなく動画や画像やお客様の声などありとあらゆる素材を使ってAttention(注目)し、うまくいけばInterest(興味)してもらえるのです。
あなたの会社のコンテンツサイトから発信される情報を、いつも見ているユーザーは自然とあなたの会社に専門性を感じるようになります。検討期間の長い商品であれが、いざあなたの会社でも扱っている商品が必要となったとき、他社よりもあなたの会社と契約する(商品を購入する)確率は上がります。
コンテンツサイトの中で、常にAttentionと、程度の差こそあれInterestを生んでいるからです。
検討期間の短い、食品などの場合でも有効です。お店の棚にいつも楽しいコンテンツであなたを楽しませてくれているメーカーの商品と、そっけないほとんど更新されない昔ながらの企業ページしかないメーカーの商品がならんでいたとしたら。さらに前者の商品にはコンテンツサイトとタイアップした仕掛けがついてたりしたら。どちらを手に取るでしょうか。
ここで、事例をちょっとだけ見てみましょう。まずは赤ちゃん用品のbabytopia。
赤ちゃん用品って誰が買います?まあ、大体「赤ちゃんのいるおかあさん」ですよね。ということで、赤ちゃんがいるおかあさんが好みそうな情報を発信するわけです。
子供がおねしょをしても叱ってはいけない理由
とか
子供をナルシストに育てない方法
とか。
ほかもいろいろ、子育てまったく関係ない僕でも興味深く読める記事が並んでいます。babytopiaの扱う商品を必要とするであろう人たちに、その人たちが楽しめるあるいは役に立つ情報を発信し、常時ターゲットユーザーをコンテンツサイトに来てもらうようにしています。まいにちコレ見てたら赤ちゃん本◯には行きませんわな。
もうひとつ事例。無印良品さんの「くらしの良品研究所」。
これ、書いてる時点での最新記事がこちら。
本の読み方
読書の秋、さあ今年の秋は本でも読むかああああ!と考えてる人なんかがこの記事見つけると、いろんな本の読み方とともにオシャレーな画像が目に入ります。
あとこんなのも
右脳と左脳と虫の声
これは9月に更新された記事ですね。夏から秋に、季節の変わり目に聞こえる虫の声を題材に、日本人の特長が独特の語り口で綴られています。
くらしの良品研究所では、ほとんど商品についての紹介や宣伝はありません。無印良品という企業が持っている世界観や考え方をじわりじわりと伝えています。ハマる人はずっぽしハマり、知らない間に無印良品のファンになるという流れですね。
事例をご覧頂きご理解頂いたかもですが、コンテンツサイトというのは始めてすぐに成果が出るというものではありません。赤ちゃんがおねしょをしない理由を知ったユーザーが、すぐに赤ちゃん用品を購入するかどうかは別の話です。
なので、コンテンツサイトではコンテンツそのものをターゲットとなるユーザーに楽しんでもらい、時間をかけてファンを熟成する場所だと考えてください。
常に良好なコンテンツによって、売り込まずに「Attention(存在を示す)」し続けることができるようになれば、ユーザのフェーズがInterest(興味を持つ)になったとき、Search(検索して他と比較する)をすっとばしてAction(購入)してくれるようになるのです。
成果が出るまでに時間はかかりますが、一旦ファンになってくれたユーザーはそうそうあなたの会社からは離れないでしょう。
短期的な売上を求めるのであれば、ランディングページをつくり、広告でPVを稼ぎ、CVRを計測し、PDCAを回せば良いのです。でも、そうやって獲得したユーザーは放っておくと繰り返しそのランディングページに来てくれることはありません。また広告でランディングページに来てもらうか、別途追いかける仕組みを組み込んでおく必要があります。
企業活動の中では当然目の前の売上を追う必要があります。広告からの直接的なコンバージョンも必要です。要は役割分担です。
短期的な施策で目の前の数値を追いながら、中長期的に自社のファンになってくれるユーザーをコンテンツサイトで関係性を深める。この役割を理解しないでコンテンツサイトを始めてしまうと、冒頭のお客様のように「なんにも結果が出ない」という状態になってしまいます。
なんのためにコンテンツサイトを運用しているかわからない、という企業のご担当者様。一度その目的やチェックしている指標を見なおし、正常な状態に戻してみてはいかがでしょうか。
田村でした。
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Facebook広告にターゲティング設定は本当必要なのか。1ヶ月調べてみた結果。
/カテゴリ: Facebook /作成者: tamuranoritakaフェイスブック広告 ターゲット設定すると効果はどう変わるのか
ターゲティングの種類
フェイスブックの広告は細かなターゲティングが可能です。大きく分けるとふたつ。
1.住所は市区町村レベルまで。あと年齢や性別、使ってる言語など属性情報に基づくターゲティング。
2.ユーザーが登録している興味関心の情報に基づくターゲティング。
実際に運用する場合は合わせ技になります。「横浜市から半径50km以内に住んでる30歳以上の女性で美容に興味のあるユーザー」とかですね。
はたしてターゲティング設定は必要なのか
地域でビジネスを展開している場合は、エリアターゲティングは必須です。沖縄のお店の広告を北海道の人に見せても、あんまり意味無いですからね。
基本的には拠点のある地域から半径80kmとかで設定すると良いでしょう。配信範囲については人口密度やその地域でメインとなる交通手段によって変わりますので、調整してください。
次、興味関心に関するターゲティングです。これ、僕は要らないんじゃないかと感覚的に思ってました。
なぜターゲティングが不要だと考えたか
お客様に「Facebookファンを集めるために、広告をやりましょう」と言うと、「え、広告ですか。。。」とあまり良くない反応をされることが結構あります。お客様ご自身がイチユーザーとしてFacebookを使ってるとき、広告なんかほとんどクリックしない、というのが主な理由です。時には広告が表示されることそのものに嫌悪感を感じる方もいらっしゃいます。
でも、広告すると確実にファン増えます。ほれ。
僕が運用しているあるFacebookページのインサイトデータです。青が濃いところが広告によるファン獲得数です。これ、どういうことでしょう。
実は結構カンタンなハナシで「興味のない広告」はクリックしないけど、「本当に興味のある広告」はみんなクリックしてるということです。広告を配信すると、効率(獲得単価)の高低はありますが、確実にファンを増やすことができるのです。
で、「本当に興味のある広告」しかクリックしないということになるとですよ、興味関心のターゲティングをする意味はあるのか?と思ったのです。たとえばこの広告。
まったく野球に興味無い人がみても絶対クリックしませんよね。一方、Facebookの興味関心欄には「野球」と記載していなくても、ちょっと野球には興味があるという人だったらクリックするかもですよね。ということは広告の設定でわざわざターゲットを指定しなくても、広告の画像やテキストそのものによってターゲティングができてしまうのです。
ということは、とにかく多くの人に見てもらうためにターゲティングを外してしまったほうが良いのではないかと、仮説を立てたわけです。それで獲得単価を抑えることができたら、Facebookページを運用している人も、そのFacebookページを見つけてファンになった人も、みーんな嬉しい状態になるわけです。
なので、ターゲティングはしてもエリアだけにしておきましょーう!それでは!
と言ったら怒られるので、試しましたよ試しましたよ。それもお客様のFacebookページでやったら迷惑がかかるので、個人的にやってるFacebookページで試してみましたよ。
Facebook広告 ターゲティング有無 検証
検証したのはこのページ。
比較したのは
1.興味関心ターゲティングあり
2.エリアターゲティングのみ(それも「日本」とでっかくターゲティングしてほぼターゲティングしていない状態。唯一「このFacebookページにいいねした人を除く」に設定。)
2016年2月いっぱい、それぞれ3万円ずつ配信してみました。
結果
上段がターゲットあり・下段がターゲットなしです。仮説をおもっきりひっくり返されました。ファン獲得単価は「ターゲットあり」が「無し」に比べると約半分。リーチやファン獲得数はもう圧倒的です。やっぱしターゲティングは必要でしたっ!
今回、同じ広告で「ターゲティングあり」のものと「ターゲティングなし」の2つ走らせてみました。なので、2つとも表示されたユーザーもいると思います。異なるのはターゲティングのみで他はまったく同じ条件としたかったので、今回はその重複は見ないことにしました。。
しかしこれだけ明らかな結果が出ると、よっぽど成果が出ることが明らかな場合以外は「興味関心ターゲティング」をちゃんと設定し、さらに広告クリエイティブそのもので興味関心のあるユーザーを集めるのが良いでしょう
ただ、あまりターゲットを絞り過ぎると母数が小さくなり、ファンが集まらなくなってしまいます。そのものズバリのターゲットだけでなく、類似ユーザーもターゲットに入れながら母数を確保して広告を配信しましょう。
あ、そうそう。人集めてもちゃんと運用しないとダメですよ。「ファンは◯万人いるけどこれなんの役にも立ってないんじゃないか?ええっ!?」って上司とかに言われますよ。
Facebook広告と通常運用の絶妙なコラボレーションについて知りたい方はこちらをどうぞ。
>>絶対に盛り上がるFacebookページが運用できる、広告の活用と日頃の運用とは
田村でした。
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Instagram アカウント切り替え手順 iPhone Android
/カテゴリ: ソーシャルメディア /作成者: tamuranoritakaインスタグラム アカウント切り替え手順 iPhone Android (誤爆は怖い)
インスタグラムのスマホアプリで複数のアカウントが切り替えられるようになりました。
以前は異なる複数のアカウントを一つのスマホで利用する場合、一旦ログインし新たなアカウントでログインし直す必要がありました。非常に不便だったのですが、今回のアップデートによって事前に複数のアカウントを登録しておくことで簡単にアカウントが切り替えられます。
でもそうなると誤爆が怖いです。ソーシャルメディアの誤爆がどれぐらい怖いか、この記事最後まで見てください。
ではまず手順いきます。iPhoneでもAndroidでも同じです。
インスタアプリにサブのアカウントを登録する
右上の設定アイコン(歯車みたいなやつ)をタップ
画面を下までスクロールして「アカウントを追加」を選択
追加するアカウントのIDとパスワードを入力。ログインボタンをタップ
で完了です。
アカウント切り替え操作
右下に表示されているアイコンを長押しタップ
画面の下部に登録したアカウントがすべて表示されます。ここで使いたいアカウントを選択すればOKです。
でも気をつけて。誤爆。こわい。
インスタグラムに限りませんが、複数のソーシャルメディアアカウントをひとつのアプリで利用する場合、「いま自分がどのアカウントを選択しているのか」を必ず確認するようにしてください。
いずれもプライベートで使っているアカウントなら「やっちゃった」で済みます。しかし、自分のプライベートアカウントと勤め先の公式アカウントを同時に登録するといわゆる「誤爆」が怖いです。飲み会の写真とかを公式アカウントにアップしてしまうと恥ずかしくてしにそうになります。ご注意を。
↓こないだあった盛大なtwitterでの誤爆例。↓
★誤爆
★お詫び
こわいですね。
田村でした。
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あなたの会社のソーシャルメディアの投稿が「マンネリになってきたかな」と思っても全然心配など要らない理由とは
/カテゴリ: ソーシャルメディア /作成者: tamuranoritakafacebook twitter instagram マンネリ化対策
んんん、投稿するネタが無いなぁ。。アレも前にやったしこの画像も去年似たようなん載せたし。。。
大丈夫です。前におなじような投稿をしてたとしても、気にせず投稿してください。理由と対策いきます。3つ。
1.あなたが思うほどみんなはあなたの投稿を覚えていない
自分のTwitterとかブログとかFacebookとか、ときどき見返したりしませんか?僕は見返します。自分が大好きなわけではありません。あの頃こんなことがあったとか、過去にどんな投稿がいい反応があったのかとか見て参考にしたいからです。
なのであなたはあなた自身がやってSNSの投稿を、どれだけ濃いファンよりも良く知っています。3ヶ月前に何を投稿したかも、あなたは知っています。
でも、ファンはそんなもの忘れています。ユーザーはあなたのFacebookページだけを見ているわけではありません。Twitterは何百人フォローしています。3ヶ月も4ヶ月も前のあなたの投稿を覚えていません。
逆に覚えてくれていたら、ものすごくあなたの会社のことを好きなファンです。そこまであなたの会社のことを好きなら、多少前の投稿と似ていてもまったく不快に思いません。むしろ「あ、これ知ってる知ってるー、わたしめっちゃファンだからよくしってるよこれーーー、いいねポチー」です。
発信者目線ではなく、受信者目線でみるとそうなりません?
2.そんなにネタが豊富な会社はこの世に無い
Twitterなら1日10投稿以上、Facebookなら毎日1投稿、ブログはどんなに更新してなくても週に1記事(お前してへんやんけという苦情は受付ません)更新してくださいと、コンサルの時にはクライアントさんに伝えています。
それだけの頻度で投稿していると、ネタはすぐ1週します。どんどん新たな投稿材料が出てくる企業さんなどありません。安心してください、ネタが無いのはあなたの会社だけではないですから。
んじゃどうするか。似たような投稿でもやっていかないといけないですよね。もちろん、まったく同じ画像を使うのはマズいですが、ちょっと切り口を変えれば異なる投稿は作れるはずです。
同じ場所でも天気が違えば見せ方は変わります。同じモノでも使う人が違うと見せ方も変わります。どうにでもなります。
3.でも会社のほかの部署の人とか役員とかが「最近ウチのソーシャルマンネリじゃない?」とか言ってくる
チャーンス!です。「そうなんですよ、困ってるんですよーー。そちらの部署でなんかいいネタないですか!?もしよかったらお仕事風景を取材とかさせてもらってもいいですか!!」と言ってやりましょう。相手も言った手前断りにくいでしょう。ネタ確保元が1つ増やせるかもです。
手を動かしていれば新しい投稿のアイデアは浮かんできます。マンネリだと心配して公開しないより、多少以前の投稿と似ていても投稿頻度が確保されるほうがずっとマシです。
特にFacebookの場合、投稿頻度が低くなるとそもそも情報がユーザーに届かなくなりますから。
というわけで、マンネリ気にせずいきましょう。
田村でした。
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なぜそのインフルエンサーはソーシャルメディアを辞めたのか
/カテゴリ: ITプロデューサー /作成者: tamuranoritakaエセナ・オニールがSNSアカウントを削除した理由を考えてみる
ちょっと前、2015年11月にこんな記事が流れていました。
人気インスタグラマーが突然の引退宣言! ソーシャルメディアの落とし穴とは?
オーストラリアのエセナ・オニールさんという18歳の女の子。インスタグラムのフォロワーが50万人、YouTubeとタンブラーが20万人、スナップチャットで6万人のつながりを持つという、超インフルエンサーです。
企業とのタイアップ投稿なども行い、ソーシャルメディアで生活できていたオニールさんが
「“ソーシャルメディア”は不自然な写真と、編集されたビデオクリップを互いにランク付けしあっているにすぎないわ。それは誰かに認められたい、っていう欲求に基づいたシステムなの。“イイね!”やページビュー、フォロワーの数とかでね。それって完全にエゴ。四六時中他人を眺めていて、一体いつ私たちは自分自身を理解して、自分の本当の目的や才能を見極めることができるというの?」
という言葉を最後に、すべてのソーシャルメディアアカウントを削除したのです。
結構ネット上でも話題になったので、覚えている方も多いのではないでしょうか。この一件、「やっぱソーシャルはほどほどにしないとねー」ぐらいに捉えていると本質は見えません。
10代にしてソーシャメディアで多大な影響力を持ち、それが収入を生むという、だれもが羨む状況であった彼女がなぜ「ソーシャルメディアはミジメだから辞める」という選択をしたのでしょうか。
ソーシャルメディア 2つの用途
まずは上記のような特定の案件について考えるのではなく、ソーシャルメディアの用途について一般論として考えてみましょう。
ソーシャルメディアをどう利用するのかは、もうひとそれぞれです。ですがあえて用途を大きく2つに分けるとすると、
1.知人や好みのタレントなどの投稿を楽しみ交流する。
2.自分のビジネスに有効に作用するように使う。ソーシャルメディアからキャッシュを生む。
この2通りです。
「1」の場合はもう何をしても良いです。バイト先で非常識な行動をとって写真を撮ろうが、オッサンのくせに毎日自撮り画像をUPしようが、毎朝ぽえむを書き記そうが、やりたいことをやればいいです。気持ち悪がられようが、炎上とかして住所をつきとめられようが、他の人に迷惑かからなければ全然OKです。
「2」の場合はある程度各SNSの空気というか、ルールというか、そういうものを知って運用する必要があります。イケてる写真がズラっと並ぶインスタのフィードに、バリバリの出会い系アプリの広告とか流すとユーザーはドン引きします。Facebookページに1日10も20も投稿すると、どんどんファンが減ります。効果検証も必要です。
当然、「自分の売ってる新築マンションのトイレ、こっそり使ったったわー!」とか、モラルに反することは絶対に書いたらだめです。そもそもトイレ使うなってハナシですが。
広告・IT業界にいると見えなくなりがちなのですが、一般のユーザーはほとんどが「1」です。純粋に、自分が楽しむためにソーシャルメディアを使ってます。趣味でやってるアカウントからお金を生もうなどとは考えていません。
影響力を持つまでの過程
ソーシャルメディアの運用用途が上記「2」の「キャッシュを生む」に至るには2つの経路があります。
A.そのSNSアカウントを解説した当初からキャッシュを生むことを目的にしていたパターン
B.最初はプライベートで楽しくSNSを運用していたが、いつのまにか人気アカウントとなりキャッシュを生むようになったパターン
です。エセナ・オニールさんの場合、モデルさんなら名前があるはずだとWikipediaで調べてみたのですがヒットしませんでした。おそらく最初は著名なモデルさんではなかったのでしょう。
ですが他の情報を調べていると、ソーシャルメディアで影響力を持つことを目指していてたともあります。アカウントを開設し、どんな投稿をすれば反応が取れるのか、何をすればフォロワーが増えるのかを検証しながらコツコツとアカウントを育て、企業からの投稿依頼がもらえるまでになったのでしょう。
オニールさんは純粋にプライベートでの交流を目的としていたわけではありませんが、最初は無名だったことを考慮すると上記「B」に近い状態ですね。
プライベートアカウントと商用アカウントのギャップ
自分の運営しているソーシャルメディアアカウントが、商用でないアカウントから商用アカウントに役割が変わるとき、ほとんどのアカウント運営者はギャップを感じるはずです。
今までは自分がやりたいようになんでも好きに投稿できたものが、依頼者の要望により表現が自由にできないケースなどが発生します。また、依頼者との関わりの中でそれまでは大好きだった商品が「スポンサーの同業他社製品だから」ということで投稿できなくなったりもします。
依頼する企業の立場から見ると、対価を支払い自社の情報を掲載してもらうということは広告そのものです。投稿する内容にスポンサー企業から一定の意思が介入してくることは当然です。
また、無名のユーザーは認知度が上がるにつれて一定数の批判や誹謗中傷が発生します。程度によっては炎上という事態に至ることもあります。特に初めて自分が批判の対象となったことを知ったとき、もうかなりヘコみます。投稿するのが怖くなったりします。
これ、ほんとは「批判されてナンボ」です。「◯◯さんすごい!」「いつも役に立つ情報をありがとうございます!」などの好意的な反応しか無い場合は、一部の濃いファンにしか情報が到達していません。
「そんなこと誰でも知ってるよ」「いつもUPしてるドヤ顔ウザいんですけど」など、悪い反応が見えるようになったときこそ喜ぶべきです。自分の発信した情報が、ファンだけでなくその周辺の本来自分に興味が無い人にまで届いているという証拠です。影響力が大きくなればなるほど批判するユーザーの数も大きくなるということです。
当初は無名だった人が影響力を持ってSNSでキャッシュを生むようになったとき、この段階を乗り越えられるかどうかがひとつのポイントです。
キャッシュを生むということは、シゴトです。どんなに好きなものでもシゴトになると他人が関わってきます。他人が関わってくると自分の思いどおりにできないこともあります。ほんとうにやりたいようにやりたいことをしたいなら、それでもキャッシュを生めるよう、さらに強力な影響力を持つ必要があります。
多くの人に自分が知られると、必ず反対意見が出てきます。反対意見ならまだいいです。理由なく「なんかあんたキライ」という人もでてきます。そして自分を攻撃してきます。
言いたいのは
ソーシャルメディアを使って自分のビジネスに役立てたいとか、ソーシャルメディアそのもので自分を売り込みたいなら、シゴトとしてソーシャルメディアを使うことに腹をくくりなさいということです。
自分の思うことを自由に表現したい、自分のことを良く思わない人からの攻撃を受けたくない。でもキャッシュはほしい。これはムリです。
キャッシュがほしいなら、ある程度の表現の不自由さを受け入れ、批判を交わすメンタルを持っておくことです。奔放に表現し誰からも文句を言われたくないのなら、企業から「あなたのアカウントでウチの商品を紹介してくれませんか?」と言われても、キッパリと断りましょう。
そういう意味では、エセナ・オニールさんのジャッジは正解かもしれませんね。「カネをもらうために思ってもいないことを発信するのはもうたくさん」ってことですから。
オニールさんが「完全にエゴ」と言い切っている、いいねの数とかフォロワーの数とかPV数って、ビジネスにつなげるには必要なもの(もちろんそれだけでは無いのですがベースとして)です。彼女はそこまで腹をくくれてなかった。それだけのことです。
もし自分のやってるソーシャルメディアのアカウントが突然影響力を持ったら?そして企業からオファーがあったら?ビジネスアカウントとして振り切るだけの割り切りができるのかどうかを基準に、受けるか受けないかを決めればいいですよ。どっちつかずがいちばん不幸です。オファーする企業にとっても、自分にとっても。
田村でした。
プロフィール・実績・掲載メディア(雑誌・新聞)
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野球選手が2015シーズンオフに何をやっているかをTwitterで見てみよう
/カテゴリ: ソーシャルメディア /作成者: tamuranoritakaプロ野球・日本人メジャー選手 ツイッター 2015ストーブリーグ
こんにちは。田村です。野球がすきです。野球が好きだとこのシーズン、家に帰ってもやることがありません。でも、選手たちが何をしているのかは知りたいのです。
この時期に選手たちが何をやっているのか、ひと昔まえまでは報道でしか知る術はありませんでした。
しかし、いまはソーシャルメディアがあります。Twitterがあります。というわけで、2015年シーズンオフ。野球選手たちが何をやっているのかTwitterでストーキングしてみましょう。
読売ジャイアンツ マシソン投手・戸根投手はハンターであった
読売軍のリリーフたち。マシソンさんと戸根さんは山でイノシシ狩り(ほんもの)をしています。
ダルビッシュは大谷翔平・中田翔とごはん
仲良しアピール・筋肉アピール(笑)
森本稀哲はおつかれさま会
今年で西武ライオンズを退団、引退した森本稀哲さんはおつかれさま会をひらいてもらっているようです。おつかれさまです。
阪神のマートンはお子ちゃまたちと
阪神タイガースを退団しどこに行くのでしょうか。日本球界を騒がせながら、マートン本人はお子ちゃまたちとともにオフを満喫中。
田中まーくんのTwitterでは
まーくんのオフは安定のドルヲタ。
レッドソックス上原浩治は(ざんねん)
ステマに邁進中ww
ちなみに松坂大輔のTwitterはいまこんななってます
去年パスワード忘れてそのままみたいです。
残念ながら、Twitterをやめちゃう野球選手も多いみたいですが、
【悲報】カープ選手が続々とTwitterアカウントを削除
うまく活用してシーズンオフにも素顔をどんどん見せてほしいものですね。
田村でした。
プロフィール・実績・掲載メディア(雑誌・新聞)
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海外から日本のソーシャルメディアはどう見られているか
/カテゴリ: ITプロデューサー /作成者: tamuranoritaka5 things U.S.techies need to about Japan’s social media ecosystemという記事がありました。東京でも活躍されているKenCharlesさんというITコンサルタントの方が1週間ほど前に公開された記事です。
英語なんですけど、勝手にバリバリ僕の考えをいれながら意訳します(読めたとこだけ)。細かいとこはアレですが、大体雰囲気合ってるはずです!(キッパリ)
外から日本のソーシャルメディアがどう見られているかがわかっておもしろいですよ。
(ここから転載)————
世界で3番目の経済大国である日本。ここのソーシャルメディアの環境は他の先進国とはちょーーっと状況が違います。シリコンバレーの人たちにはなかなか理解できないかもですが。。
日本のソーシャルメディアは、フェイスブックの次にツイッターが使われてて、ヘンなマンガのスタンプばっかりの「LINE」っていうのもあって、なんか半閉鎖的な温室(笑)みたいな状況です。
東京の友人の話を聞きながら、日本のソーシャルメディアの状況をまとめてみました。シリコンバレーのみなさん、絶対知っといたほうがいいですよこれ。
1.LINEがFacebookの役割をしている(苦笑)
日本人の40%が毎月使ってる「LINE」が日本ではぶっちぎりで使われているソーシャルメディアです。元はSMS(メッセージの送受信専用)アプリであったLINEは2011年東日本大震災の直後にローンチされました。
震災のとき、日本の電話回線はほとんど役に立たなくなりましたが、ネットは一部使えました。その状況を見たNHNジャパンの社員さんは、速攻でLINEの原型みたいのをつくってリリース、コミュニケーションの手段として一気に主導権を握ったのです。
従来の日本の通信業界の体制もLINEが普及した要因のひとつです。キャリアのSMS使ったらカネかかるわ、電話したら1分1$ぐらいかかるわ。そんな状況のなか登場したLINEはSkypeみたいに基本タダだったのです
さらに、LINEはメッセージ機能だけでなく、メッセージに添付するスタンプ機能もリリースしました。スタンプっていうのは、いままでになかったでっかくておもろい「emoji」です。
アプリはタダですが、スタンプはアプリの中で購入します。アプリの収益はNHNのコアな収益源となっています。予想では今年だけで8億ドル稼ぎだしそうな勢いです。
それだけでなく、ApplePayのようなサービスやUberのようなサービスもアプリ内に組み込み、どんどんその機能を拡大しています。
2.日本ではFacebookがLinkedInです。(苦笑)
日本のソーシャルメディアを牽引するFacebook。日本人の約17%が利用しています。でも、10代や20代の層を見るとFacebookを使ってる若者たちは、大体日本国内にはいません。
日本ではfacebookは我々が思ってるようなfacebookではないのです。
私たちがfacebookでよく見かけるおどけた投稿(たとえばマウイのビーチで自撮りした画像とか)を公の場で公開するのは「調子ノリ」と思われて日本人はあんまり好みません。
あと、facebookの実名登録も日本人にはハードルになっています(昔よりだいぶマシにはなりましたけどね)。
結果、日本人はfacebookで「プロとしてのカオ」を見せることが多くなります。こっちで言うLinkedInみたいに、仕事のハナシとか業務でつながったコネクションとかを投稿するのです。
あんまり親しくもない若い日本人から友達リクエストが来まくることがありますよね。カタイ顔したプロフ写真でビッシーっとスーツ来てたりしてる人とかから。
あの人らは別にあなたと友達になりたいのではなくて、ビジネスのネットワークを作りたいと思ってるのです。
LinkedInにとってはつらいハナシですが。。
3.地元企業がLinkedInの昼飯を食っている
(この表現w 原文:Locals are eating LinkedIn’s lunch)
LinkedInの国内ユーザーは136万人です。そのうちアクティブユーザーは25%。日本の人口の1%にも届きません。中国ではあんなにうまくいってるのに、なぜ日本ではダメなんでしょう。
まず、日本語対応してからまだ2〜3年しか経ってないこと。いまでもメッセージに「さん」がつけられないのとかは日本のビジネス環境においてありえないです(注:別にそこはそんなに別に)。
あと、日本国内の同種企業はめちゃめちゃチカラを入れてます。Bizreachは従業員400名超、Wantedlyは約50名。対してLinkedInは10名ほどです。
————(転載ここまで)
向こうの人からは「LINEがFacebook」「FacebookはFacebookではない」「LinkedInでやることをFacebookでやっている」と見えるんですね。
まあ、いろいろ政治とかがんばってますけど、今後数十年にわたって日本の人口が減るのはもうわかっていることです。人が減るということは経済活動の規模も小さくなります。そうなると、国外の企業や顧客とどう関わっていくかが生き残りのカギになるはずです。
外に合わせるのか、今までどおりにやっていくのか。もしかしたらいまが分岐点かもしれないと感じますね。こういうのみてると。
あとTwitterとかMixiのハナシも載ってるので、よかったら元サイトの方も見てください。英語ですけど。
5 things U.S.techies need to about Japan’s social media ecosystem
あ、訳間違ってたら言ってください。まったく逆の意味に取ってしまってるかもですので。ただ、表現はだいぶ変えてます。よろしくどうぞ。
田村でした。
プロフィール・実績・掲載メディア(雑誌・新聞)
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ミクチャの特集をNHKのニュースシブ5時でやったらしい
/カテゴリ: ITプロデューサー /作成者: tamuranoritakaMixChannelのことをシブ五時で放送したとな
ミクチャ知ってます?なんか中高生がチュウして動画とかアップするメディアらしいですよねえさん。
これはあかん
あかん見てられへん
チュウしてる動画なんかアップしたら、もう後々たいへん!とかおっちゃんは思ってしまいます。自分の動画が後で他人から見られるんもヤですし、元カレとか元カノとかの動画をみつけてしまったりしたら、もうなんというかこのモヤモヤ感が。
まあ、動画の中で「10年後も変わらない。。」とか言ってるので、ずっといっしょなんでしょう。。。
「そんなもん知るかいワシら関係あるかい」とスルーしておくのもいいです。でも、中高生のお子様がいらっしゃる方や若年層をターゲットとしてビジネスを展開している方、しようと考えている方は「彼ら、彼女らが何を考えてミクチャを使っているのか」を知っておいた方がいいと思います。
ちょっとこのへんの記事から予備知識をどうぞ。
※番組自体は2015年12月1日に放送されました。ここに並んでる記事をみてもらったらミクチャの概要はわかると思います。
【閲覧注意】”カップル共同アカウント”の謎に迫る。ミクチャ(MixChannel)で人気の高校生カップルに会っていろいろ聞いてきた
言うてることはわからんでもないですが、ぬわあ。
「彼氏がミクチャをやってくれません」小林トシノリの一刀両断SNSお悩み相談(連載02)
こんなんで彼女から怒られるのかいまどきの高校生はーーー!小林トシノリさんのバッサリが爽快。
ミクチャ動画の作成に1ヶ月かけるのは当たり前?! 合計フォロワー15万人、ミクチャ・ツイキャスのインフルエンサーと対談してきた(前編)|石井リナ(連載12)
1ヶ月。もうクリエイターですなそれは。。ただ、この世代が世に出てコンテンツ作り始めるとすごいことになりそうで。後編もありますので続けてどうぞ。
ざっと概要を見て頂いたところで、シブ5時です。12月1日16:50からNHKです。この番組の中のどこかでKakeruの三川夏代副編集長がべらっべらミクチャについて話してくれます。ミクチャを使ってる中高生の生態を知りたい方はぜひご覧ください。見られないなら録画しなさい。
※無事放送終了しました。
NHK ニュースシブ5時
シブ5時ツイッターにも絡みましょう。
↑シブ5時Twitterアカウントが別ウィンドウで開きます↑
いやしかし、これ絶対黒歴史候ry
田村でした。
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Twitterのアンケート機能は企業アカウントでこう使うといいと思うんやけど
/カテゴリ: ソーシャルメディア /作成者: tamuranoritakaツイッターアンケート機能活用法
数週間前からツイッターにアンケート機能が追加されました。こんなんです。
「えっ、ウチのアカウントではまだそんなん使えへんのやけど!!」というあなたもご心配いりませんん。アンケート機能が利用できるアカウントはランダムで選ばれており(Twitterのひとに聞いたので間違いない)、いずれはすべてのアカウントで利用できるようになるはずです。
いままでツイッターのフォロワーさんに対してアンケート的な投稿を投げたいときは、ツイート内に2つの選択肢を記載し、「AならRT、Bならふぁぼ」と投げかけて回答してもらっていました。
ただその方法だと「RTだと自分のタイムラインに載ってしまう」とか、逆に「ふぁぼよりRTのほうが拡散されて有利」とか、何かしらちょっとひっかかる点がありました。
もともと「RT」は対象となるツイートを自分のアカウントで拡散する機能であり、「ふぁぼ」は後で読めるようにチェックしておく機能です。性質が違うものを同列で並べることに少しムリがあったんですね。
そこでこのアンケート機能が登場したわけです。フォロワーは余計な迷いなく、純粋にAとBのいずれかを選択できるようになったのです。
アンケート機能が利用できるツイッターアカウントでは、投稿するときにこういう円グラフみたいなアイコンが表示されます。
これをタップすると
通常通りのツイートのように本文を入力し、さらに2つの選択肢をそれぞれ20文字以内で設定できます。
僕も複数あるツイッターアカウントのうち、ひとつだけアンケート機能が利用できるようになったアカウントがあります。使ってると結構な数のフォロワーさんが反応してくれます。(今はもの珍しさからかもですが)
アンケート機能使うといろいろできそうです。たとえば
複数ある商品ラインナップから2つを挙げ、どっちが好きか・その理由を聞く。
人気のある理由を知り、その後のプロモーションにおける訴求ポイントなどがわかるかもです。きのこの山とたけのこの里とか。
キャンペーンの景品をアンケートで決める。
ほしいひとが多い商品をあげたほうが喜んでもらえますからね。あと、一緒にキャンペーンをつくりあげた感も演出できます。「せっかくなのでどっちもプレゼントします!」っていうオチもありですね。
フォロワーさんの行動パターンを教えてもらう
どんなときに飲みたくなる?イラっとするのはどっち?など。
サイトのデザインをフォロワーさんに決めてもらう
赤ベースか黄色ベースかどっちがいいですかー?的な。
まあ、もう思いつかないのでこれぐらいでやめます。とにかく、何か聞きたいと思ったらTwitterのアンケートで聞いてみると良さそうです。レスポンスが早く、さらに極めて本音に近い回答が得られます。
あ、アンケートにたくさん回答がほしいなら、普段からフォロワーさんと交流しとかないとダメですよ。無愛想にいつも宣伝ツイートばっかりしてるアカウントで突然質問しても、だーれも答えてくれませんので。
田村でした。
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コンテンツマーケを失敗する企業が勘違いしていること
/カテゴリ: オウンドメディア /作成者: tamuranoritakaコンテンツサイトの運用方針
こないだ。とあるクライアント様のところへお伺いしたときのお話し。
お客様「コンテンツサイトみたいなのを始めたんですけど、最近は更新してないんです。どうですかねこれ。」
田村「え、どんなんですか?」
お客様「(PCカチャカチャー)これなんです。もう全然問い合わせが無くて。」
田村「はっはーーー。これはコンテンツサイトというより、説明長めのECサイトですねい。。。。」
業者さんから「これからはコンテンツマーケティングです!」と言われサイトを立ち上げ、投稿するコンテンツも全部任せていたそうです。そこには商品をひとつひとつ、1000文字ほどのテキストと画像で紹介する記事が並んでいました。「お買い得!」とか「大絶賛」とか。。
まあ、言わせていただくと、このクライアントさんにコンテンツサイトをやるように勧めたひとはコンテンツサイトのなんたるかをまったく理解していません(バッサリ)。
んじゃコンテンツサイトって何よ?ってなるわけですがその前に、なぜコンテンツサイトが重要視されるようになったのか、その背景を考えてみましょう。
ひとの購買行動モデルというのがあります。クッソ小難しいマーケティング用語みたいなのを喋るのは嫌いなんですが、今回は泣く泣く、できるだけみなさんが知ってるようなものを選んで使います。
一昔前は「AIDMA」っていうのがありました。
Attenntion(注目)➝Interest(興味)➝Desire(欲求)➝Motive(動機)➝Action(行動)この過程の頭文字を取ったものです。
これ、こういうことです。
テレビのCMでクルマを見た(Attention)➝うわ、かっちょええやんけ!と思った(Interest)➝これほしいなおい!(Desire)➝ちょうどあと3ヶ月後車検や(Motive)➝買うてもたがな(Action)
なんとなく似たようなことがあなたにもあるのではないでしょうか。でもやっぱりこれ「一昔前」なのです。今はこうはいきません。
「AIDMA」につづいて「AISAS」っていうのがあります。これは
Attention(注目)→Interest(関心)→Search(検索)→Action(行動)→Share(情報共有)という流れです。
ネットのニュースとかでiPhoneの新しいのが出ると知る(Attention)→こんどはなんかあたらしい機能あるんやろか?機種変しよかな。。(Interest)→ちょっと事前の評判とか調べてみよ(Search)→これはええわ。予約して買おう!(Action)→前のよりサクサクや!Facebookに投稿しよ♪(Share)
まあ、大体いまはモノを買うときってこんなパターンじゃないでしょうか。
最近はAIDMAではなくSIPSとかいうのもでてきてます。
SIPSは、共感する(Sympathize)➝確認する(Identify)➝参加する(Participate)➝共有・拡散する(Share&Spread)というプロセスになります。これ、僕はなんかしっくりこないので詳細は省略します。
AIDMAとAISASを見比べると、僕自身はぶっちぎりで後者AISASのパターンでモノを買うことが多いです。最初そのものを知り「注目(Attention)」、そのあと、かっちょええやんけ(Interest)になります。そのあと必ずスマホかPCで検索してその商品やサービスのことを検索します。AISASでいう「Search」ですね。
検索していろいろ調べた結果、問題無いと判断したら実際に購入(Action)して、そのあとソーシャルメディアとかブログでその商品のことを書いたり(Share)します。
スマホでもPCでも、カバンでも書籍でも、旅行どこに行くか考えるときも、どの宿に泊まろうか検討してるときでも、ほぼこのプロセスです。
何が言いたいかというと、
1.とにかく自社そのもの、商品、サービスの存在を、対象となるユーザーに気付いてもらわなければいけない。
2.消費者は購入する前に自分でその商品のことを調べるというステップがある。
3.購入後にスマホやPCから簡単に知人(もしくは知人の知人)までレビューを伝えることができる。
まず、これをアタマに入れておかないといけないということです。
これを踏まえて、コンテンツサイトです。
ハッキリいうとコンテンツサイトの主な役割は「Attention(注目)」です。商品そのものあるいはその周辺情報を展開し、「ウチの会社は◯◯の専門家です」「この商品は◯◯をする人にとって便利なんです」ということを、文章だけでなく動画や画像やお客様の声などありとあらゆる素材を使ってAttention(注目)し、うまくいけばInterest(興味)してもらえるのです。
あなたの会社のコンテンツサイトから発信される情報を、いつも見ているユーザーは自然とあなたの会社に専門性を感じるようになります。検討期間の長い商品であれが、いざあなたの会社でも扱っている商品が必要となったとき、他社よりもあなたの会社と契約する(商品を購入する)確率は上がります。
コンテンツサイトの中で、常にAttentionと、程度の差こそあれInterestを生んでいるからです。
検討期間の短い、食品などの場合でも有効です。お店の棚にいつも楽しいコンテンツであなたを楽しませてくれているメーカーの商品と、そっけないほとんど更新されない昔ながらの企業ページしかないメーカーの商品がならんでいたとしたら。さらに前者の商品にはコンテンツサイトとタイアップした仕掛けがついてたりしたら。どちらを手に取るでしょうか。
ここで、事例をちょっとだけ見てみましょう。まずは赤ちゃん用品のbabytopia。
赤ちゃん用品って誰が買います?まあ、大体「赤ちゃんのいるおかあさん」ですよね。ということで、赤ちゃんがいるおかあさんが好みそうな情報を発信するわけです。
子供がおねしょをしても叱ってはいけない理由
とか
子供をナルシストに育てない方法
とか。
ほかもいろいろ、子育てまったく関係ない僕でも興味深く読める記事が並んでいます。babytopiaの扱う商品を必要とするであろう人たちに、その人たちが楽しめるあるいは役に立つ情報を発信し、常時ターゲットユーザーをコンテンツサイトに来てもらうようにしています。まいにちコレ見てたら赤ちゃん本◯には行きませんわな。
もうひとつ事例。無印良品さんの「くらしの良品研究所」。
これ、書いてる時点での最新記事がこちら。
本の読み方
読書の秋、さあ今年の秋は本でも読むかああああ!と考えてる人なんかがこの記事見つけると、いろんな本の読み方とともにオシャレーな画像が目に入ります。
あとこんなのも
右脳と左脳と虫の声
これは9月に更新された記事ですね。夏から秋に、季節の変わり目に聞こえる虫の声を題材に、日本人の特長が独特の語り口で綴られています。
くらしの良品研究所では、ほとんど商品についての紹介や宣伝はありません。無印良品という企業が持っている世界観や考え方をじわりじわりと伝えています。ハマる人はずっぽしハマり、知らない間に無印良品のファンになるという流れですね。
事例をご覧頂きご理解頂いたかもですが、コンテンツサイトというのは始めてすぐに成果が出るというものではありません。赤ちゃんがおねしょをしない理由を知ったユーザーが、すぐに赤ちゃん用品を購入するかどうかは別の話です。
なので、コンテンツサイトではコンテンツそのものをターゲットとなるユーザーに楽しんでもらい、時間をかけてファンを熟成する場所だと考えてください。
常に良好なコンテンツによって、売り込まずに「Attention(存在を示す)」し続けることができるようになれば、ユーザのフェーズがInterest(興味を持つ)になったとき、Search(検索して他と比較する)をすっとばしてAction(購入)してくれるようになるのです。
成果が出るまでに時間はかかりますが、一旦ファンになってくれたユーザーはそうそうあなたの会社からは離れないでしょう。
短期的な売上を求めるのであれば、ランディングページをつくり、広告でPVを稼ぎ、CVRを計測し、PDCAを回せば良いのです。でも、そうやって獲得したユーザーは放っておくと繰り返しそのランディングページに来てくれることはありません。また広告でランディングページに来てもらうか、別途追いかける仕組みを組み込んでおく必要があります。
企業活動の中では当然目の前の売上を追う必要があります。広告からの直接的なコンバージョンも必要です。要は役割分担です。
短期的な施策で目の前の数値を追いながら、中長期的に自社のファンになってくれるユーザーをコンテンツサイトで関係性を深める。この役割を理解しないでコンテンツサイトを始めてしまうと、冒頭のお客様のように「なんにも結果が出ない」という状態になってしまいます。
なんのためにコンテンツサイトを運用しているかわからない、という企業のご担当者様。一度その目的やチェックしている指標を見なおし、正常な状態に戻してみてはいかがでしょうか。
田村でした。
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企業が海外のお客様を呼びたいときにインターネットでやるべきこと
/カテゴリ: ITプロデューサー /作成者: tamuranoritaka中国 韓国 台湾 アメリカ。。外国人観光客に向けて発信できるメディアとは
最近、出張するときホテルが取りにくいです。調べたらこういうことのようです。
満室続出、2万円超も!激変するビジネスホテル事情
ビジネスホテルが取れない~都心の宿泊困難 解決策は~
海外、特に中国をはじめとしたアジア圏からの旅行客が大挙日本へ押し寄せているんですね。
【参照】観光庁
上のグラフ、青いところが「日本に来た外国人旅行者」の数です。2005年ぐらいから2012年まで、600万人台から800万人台を上下していますが、2013年には1036万人、2014年は1341万人と急増しています。今年、2015年はさらに増えているようです。
とくに中国の観光客は日本に来る前に日本の情報を得て、入念に「買うもの」「行くところ」を調べてから来日しているそうです。
となると、日本の企業としては、いかに来日する前に自社の商品やサービスを認知させておくかが重要だということになります。
ただご存知のとおり、特に中国に向けては発信するメディアが限定されています。FacebookやTwitterは使えません。Googleもだめです。海外のサーバーに置いているサイトも現地からは閲覧できないことがあるそうです。
とはいっても、2020年に向けて海外からの旅行客はさらに増加すると見込まれています。手をこまねいて見ているわけにはいきません。
ということで海外、特に中国に向けて情報を発信したい企業様向けに、中国に発信することが可能なメディアをお伝えしておきます。早めにアカウントだけでも取得しておきましょう。
新浪微博
微博(ウェイボー)の個人アカウント登録数は約5.6億人。月間のアクティブユーザーも2億人を超えるという、超巨大SNSです。(ちなみにFacebookやTwitterの日本国内ユーザーはいずれも2000万人前後です)
微博のユーザーは比較的学歴・収入が高いユーザーが多いと言われており、日本に来る中国人たちはほぼ微博のアカウントを持っていると言っても良いでしょう。
日本企業でもすでに資生堂やJALなどが活用していますが、割合としてはまだ一部にとどまっています。同業他社に先んじて、活用しておくことをおすすめします。
WeChat
ウィーチャットは中国版のLINEです。登録アカウントは11億人、月間アクティブユーザーは4億4000万人。これもケタが違いますね。
機能はLINEとほぼおなじで、基本的にはメッセンジャーアプリと考えてもらって大丈夫です。企業アカウントとつながったユーザーにプッシュで情報を送ることができます。
Facebook
こちらおなじみFacebook。日本では数年前の勢いは無くなった感はありますが、世界では圧倒的に利用されているSNSです。中国では利用できませんが、その他英語圏のユーザーには有効です。アジアでも韓国や台湾のユーザーは英語も読めます。特に東南アジアでは活発です。
日本でFacebookを活用している企業なら、別途海外に向けて発信するためのFacebookページを活用しても良いのではないでしょうか。
LinkedIn
LinkedInが中国でも繋がることはあまり知られていません(僕も最近知りました)。こちらは企業のプロモーションというよりは、より良い人材を海外から自社へ呼び込むといった活用方法になるでしょう。
上にも書いたように、中国からの観光客や留学生が急激に増加している日本で、中国からの人材は貴重です。また、2020年のビッグイベントに向けて、英語ができる従業員を雇用しておくことは企業の規模問わず重要です。
まずは企業アカウントを立ち上げ、必要であれば広告なども展開し、現地のビジネスパーソンや優秀な学生さんとの交流を図ることから始めてみてはいかがでしょう。
「とはいっても、中国語(英語)で情報発信なんかできないし。。。」
という企業さんもいらっしゃいますが、その問題も払拭されつつあります。言語はもちろん現地の文化などをよく知っている、かつ信頼のできるサポート企業なども、グローバル化に伴って多数見受けられるようになりました。
日本国内の人口が年々減少している昨今、海外のお客様をいかに獲得するかが企業の存続を左右します。伴って、海外のお客様とコミュニケーションが取れる人材の確保も重要となってきます。
最初は日本国内でソーシャルメディアに投稿しているものを、海外向けにアレンジするだけでも十分です。反応を見ながら投稿内容を精査すればいいのです。まずは、外に向けての発信を始めてみましょう。
田村でした。
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