営業職がSNSを始めたときに最初にやるべき3つの行動とは

営業さんがお仕事でSNSを利用しようとしてみてよくある失敗例はこちらです。
 
 
アカウントを取得してみた

何をしたらいいのかわからない

とりあえず自社商品の宣伝宣伝宣伝!

反応が無い

疎遠になってログインしなくなる

「やっぱりSNSを営業でなんか使えないよねぇ」

一定の割合でこの「営業SNSデフレスパイラル」にハマる方がいらっしゃいます。
 
 
まず大前提。SNSでの営業は始めて1ヶ月や2ヶ月で成果が出るものではありません。

じっくりと時間をかけてそのメディアの中で専門家としての存在感を定着させ、さらに常にコミュニケーションをとりながら接触頻度を確保して、少しずつ成果がでてくるものです。

数日や数週間で成果は出ません。結果がでるまで半年ぐらいは見ておきましょう。営業職ご本人だけではなく、SNSを活用した営業活動を推奨されている上役の方も、長い目で見てください。

私自身の経験からすると、上から早く数字を作れとやいやい言われると、SNSの投稿にも売り込みオーラが全開で出てしまいます。売り込みオーラが前面にでているアカウントは他のユーザーから敬遠されます。

成果が顕在化するまでは大変ですが、ひとたび引き合いをいただけるようになると、一定のペースで新たなお客様候補とお会いできるようになります。
 
 
では、時間がかかるとはいえ、SNSアカウントを開設したあといったい各SNSで何をすればよいのか、ざっと書いておきますね。
 
 
1.リアルで知ってる人とまずつながる

リアルな知人のアカウントとはオンラインで初めて会った方よりも、コミュニケーションが発生しやすくなります。さらに、他のユーザーにもアクティブな印象を与えることができます。

ただ、知ってる人とばかり絡んでいると内輪感がでてしまって逆に話しかけにくくなったりするので注意してください。
 
 
2.お客様になろうとしている人が悩んでいることを考えて投稿する

いま読んでもらってるこの記事は「営業でSNSを使いたいけどやり方がわかんねー」という方の悩みを解決してもらえるような内容を書いているつもりです。

「営業職向けのSNSコンサルをします!問い合わせてきてください!」とは書いていません。こういうことです。

果物屋さんなら「おいしいスイカの選び方」を、セキュリティ屋さんなら「セキュリティがない環境がどれだけ危ないものなのか」を、不動産屋さんなら「値下がりしにくい物件の選び方」などを書きます。

ポイントは「今まで会ったお客様が成約する前に悩んでいたことについての解決策」です。営業をやってたらこの種のネタは誰でも無数にあるはずです。これを定期的に書きます。

こういったノウハウ系の投稿は、時間が経過すると押し流されて誰も見なくなるSNSのフィードに書いておくだけでは足りません。フィードの投稿は一旦流れてしまうと、再度見られることはほぼ無いと思ってください。

自身のノウハウをしっかりと伝えたいコンテンツは、Googleにインデックスされるブログやサイト内のコンテンツとして発信するのがベストです。そのURLを改めてSNSのフィードに投稿して露出量を増やすのです。
 
 
いったんブログやサイトにアップしたコンテンツはこういう形で何度でもSNSの投稿として使えます。フィード投稿だとこうはいきません。
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3.お客様となり得る方が欲しているであろう情報を、他社発信のものであってもシェア・拡散する

自社の商品やサービスを宣伝するのではなく、あくまでもお客様になるであろう方にとって役立つ情報を発信しなければいけません。

そのためには情報の出元などにこだわっている場合ではありません。むしろ、競合が発信してくれた情報に自身の見解を付加することで、あなた自身の専門性を強化して見せることができるようになります。

「このアカウントをチェックしておけば○○についての最新情報が見られる」という状態にしておきたいのです。

そうするためには発信元が競合であるとか、この記事を書いた人とは仲が悪いとか言ってられません。いいものはいいのです。

ここでも上役の方は「競合の情報に触れるな」などと、心の狭いことを言っていてはSNSの本来のメリットを享受することはできません。おおらかにやりましょう。
 
 
 
細かく言うともっともっとやって頂きたいことはあります。が、まず上記のように「みんなの悩みを解決」しながら「他のユーザーとコミュニケーションを図る」ことを心がけてください。しばらく続けているとこうなります。
 
 
○○(あなたの商品ジャンル)についていつも詳しく言ってる人(あなたのこと)がいると認知される。

しかもその人(あなた)は気軽にいろんなユーザーとコミュニケーションをとっている

投稿頻度やコミュニケーションの数をキープして頻繁に接触することによって、あなたが専門家であることの認識が強化される

SNSのフィード上で専門分野についての質問などが来るようになる

その中からより話が深くなりそうな方とはDMから直接の面談へと繋がる

冒頭に書いた「営業SNSデフレスパイラル」とはえらい違いですね。売り込みはいつでも、ましてやこれだけ情報が氾濫している中ではリアルでもオンラインでも好まれないのです。

【参照】セールスにSNSを使おうと始めた人がやってしまうイヤがられる行動とは
 
 
少しずつ少しずつ、専門家アカウントとしてあなたのアカウントを育成してください。育てるまでは大変ですが、いったん育てると楽ですよ。
 
 
 
 

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セールスにSNSを使おうと始めた人がやってしまうイヤがられる行動とは

自分はSNSを営業でゴリゴリ使ってまして、そのノウハウを踏まえながらいろんなところで「営業職の人は会社が許す限りSNSで情報発信しましょう」と伝えています。

そうすると中には早速TwitterやLinkedInでビジネス用のアカウントをつくって運用を始めてくれる方もいらっしゃいます。

お伝えしたことにすぐ取り組んでいただけることほど、コンサルタントとして嬉しいことはありません。

ただ、いままでお仕事でSNSを活用した経験があまり無い方は「それやっちゃうと逆効果なんだけどなー」という振る舞いをしてしまうケースもあります。
 
 
代表的なものを3つほど書いておきますね。
 
 
1.つながったらすぐにDMで売り込み

ツイッターでフォローしたりLinkedInやFacebookでつながったらすぐにDMをいただくことがあります。

「どこどこでお会いした○○です。こちらでもよろしくおねがいします!」的な内容がほとんどで、受信した側も気持ちいいものです。

ただ、そのあとに「私は○○という企業で○○という商品を扱っており、多くの方にご利用いただきたいと思っています。詳細をお知りになりたい場合はこちらをご覧ください→URL」

あ、だいじょうぶ。いま別に詳細はお知りになりたくありませーん。というかこの方と絡むとすぐなんか売られるんですねー。フォロー外そー。

となります。
 
 
2.他の人の投稿にコメントでマウンティング

たとえばあなたが「最近Twitterの利用価値が見直されている。改めて企業も腰を入れて取り組んだ方がいいのでは」という投稿をしたとしましょう。

その投稿のコメント欄に私が「そんなことはかなり以前から知られていることです。実際に、既に日本では○社が、世界でも○社がTwitterの公式アカウントを運用しています。まだTwitterをやっていない企業があるとは信じられません。」とか書いたら、どう思います?

この類のコメントを自分の投稿に書きこまれた経験は私も何度もあります。やるのはだいたいSNSを始めて間もないそこそこ社会的地位がある方です。自分はその分野に精通していることを反射的に言いたくなるのでしょう。

こういうコメントを見て「なるほどー、専門家から見たらそうなのかー。」などと思われることはありません。ひとこと「うっざっ」以上です。
 
 
3.他の人の投稿のコメント欄に自分のSNSやサイトのリンクを貼る

コメント欄に「それに似た機能を持つ商品をウチでも扱ってます!→リンク」「その近くで、私も〇〇のカンファレンスで招待してもらいました!これです!→リンク」

こういうコメントを見て「あ、便利そう!見てみよう!」などと、投稿者やそれを見ている投稿者の友達は思いません。

「あんたに聞いてない」「人の投稿から自分のサイトに誘導しようとしてるさいあくー」です。もはやスパムです。
 
 
営業という生き物は、常に周囲を見渡しながら、チャンスがあればそれをキッカケにして、いかに自社のビジネスにつなげられるのかを考えています。

そういう意味ではSNSのフィードに流れてくる多くのユーザーの投稿は、見方によってはキッカケの宝庫です。

ただ、一つ覚えておいていただきたい。

あなたがつながっている方によるSNSの投稿は「あなたにセールスをされるために行っているものではない」「あなたに教えを乞うために書き込んでいるものではない」という点です。
 
 
特に注意していただきたいのはコメント欄です。売りたい気持ちは、私も営業です、重々承知しています。

ただ、コメント欄での不快な振る舞いは、投稿した人だけでなく投稿者と既につながっている人にも同様の悪感情を与えます。

本人は他人のスレッドで専門知識を披露して悦に浸っているのでしょう。しかしこれからSNSを使って営業に活用しようと思っているあなたにとって、投稿者やそのコメントを見た他のユーザーが抱く感情を考えると、「2」や「3」のような振る舞いをすることによるメリットはひとつもありません。
 
 
1や3はまあ論外です。ぜったいにやめましょう。2の場合、ご本人は気づいていないこともあります。書き込む前に「マウンティングコメントになっていないか」を、もういちどよく考えてみてください。
 
 
SNSでの振る舞いがリアルな評判にも影響し、売上が落ちるという逆効果にならないためにも。
 
 
 
 

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営業職に携わるあなたがSNSを活用するメリットとは

思えば、私が「インターネット」というものを活用しようと思ったキッカケは、阪神タイガースの情報を欠かさず収集する。。。ではなく、ゴリゴリのアナログ不動産営業をやっていた頃に「ネットってめっちゃ営業に使えるんちゃうん!?」と感じたことでした。
 
 
SNSといえば「マーケティング」という文脈で語られることが多いのですが、個人的には「セールス」でも活用すると、営業職のみなさんももっと楽になるのになー。。。というのが、自分のビジネスでもSNSとかネットを使ったセールスを15年ほどやってきての実感です。

感覚的には
・SNSが得意な人が営業のスキルを向上させる
よりも
・営業が得意な人がSNSも活用できるようになる
ほうが、成果を出すまでの期間が短い感じがします。元々、営業職として一定の成果を出されている方というのは比較的対人スキルが高い方が多いので、それをオフラインからオンラインに切り替えるだけでスムーズに利用できるようですね。
 
 
自分が不動産の営業をやっていた当時、毎月の数字はまあそこそこ作ってはいたものの、常についてまわっていた悩みは、大きなもので2つありました。

1.ある程度購入意欲の高いお客様とどうやって出会えるか。

不動産売買の営業をしていると、接するお客様のモチベーションというのは「来月転勤がきまった。
賃貸で借りようかとも思ってるけど、いいのがあったら買ってしまいたい!」という切迫したものから、「なんかキレイそうなのでモデルルームを見に来ましたー」という半分デート中のカップルまで、本当に様々です。

営業目線で見るとやっぱり「できるだけ早く買いたい!」というお客様を担当したいというのが本音です。

2.一度接触したお客様といかにそのあと接触頻度を確保するか。

不動産の購入を検討しながら不動産屋さんにコンタクトをとったことがある方はどなたも経験があると思うのですが、一度相談したあと頻繁に電話やメールでアプローチをかけられるはずです。

あれは、お客様の購入モチベーションを確認するという目的とともに、接触頻度を確保しておき、いざ購入するとなった段には自社の商品を優先的に検討してもらいたいという営業の意図もあったりします。

※ヘタクソな営業さんだと週に3回ぐらい「こないだ見てもらった物件はいかがですか?」とかおなじ内容の電話をしたりします。1日や2日でお客様の状況は変わりません。
 
 
これ、2つともネットとSNSで、今は解決できています。
 
 
まず、1。営業担当が購入意欲の高いお客様ファーストコンタクトをより多く獲得するには、ブログやSNSで自社商品、だけではなくその周辺情報を常に発信し続けます。

特にブログはコツコツ蓄積すると、検索からアクセスを獲得できるようになったり、SNSの投稿ネタとして時間が経過してから再利用したりできます。

実際に私が当時発信していたのは、年齢別・収入別の不動産の選び方、新築か中古かどっちを買うべきか、マンションか戸建てか、おすすめ物件の周辺情報、などです。

こういう情報を大量に発信していると、ぽつりぽつりとお問い合わせがいただけるようになります。

モノやサービス、あるいは対象となるお客様が個人なのか企業なのかが変わっても、表現や利用するメディアはそれぞれ合ったものにする必要はありますが、基本は同じです。あなたの顧客となりえる方はどんな情報をほしがっているのかを考えて、大量に情報を発信するだけです。
 
 
そして2。接触頻度の確保は圧倒的にSNSが得意とするところです。TwitterやFacebookでつながって、日々投稿することによって情報発信をしたり、こちらから先方の投稿にコメントや「いいね」などのアクションをとることによって、自分の存在を定期的に相手に認知してもらうことができます。

プライベートな繋がりをSNSで持つことに抵抗があるならLinkedInというビジネスに特化したSNSを活用することもひとつの手段です。

接触頻度の重要性については、暗記学習法などで用いられる「エビングハウスの忘却曲線」を目安に見てみると、イメージしやすいです。営業と顧客の関係においてこのグラフをそのまま当てはめることはできませんが、大きく乖離はしていないはずです。

営業マンがSNSを使う
参考 エビングハウスの忘却曲線(Wikipedia)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%98%E5%8D%B4%E6%9B%B2%E7%B7%9A

ひとは、1時間経過すると56%忘れる・1日経過するとインプットした内容の74%を忘れてしまうという結果です。

たとえば、いまこの記事を読んでいるあなたも、このあとお仕事に戻ったり、なんやかんやと忙しくするはずです。そうすると、ここに書いている内容の半分以上は忘れてしまい、明日になると7割以上忘れてしまわれるということです。悲しい。

でも、半日ほど経過してまたTwitterなどで私の投稿が流れてくると、どんなにその投稿がアホな内容でも、投稿を見た時点で私の存在を改めて認知するわけです。内容がこの記事とまったく関係なくても「あー、こないだ営業職とSNSのブログ書いてたひとだ」とか、アタマによぎるかもしれません。

なので、こんなしょーもない投稿でも意味はあるのです。

営業職を経験した方にとって、自分と相手との間で一定の頻度で接触することの重要さは、ご理解いただけると思います。
 
 
比較的購入意欲が高いお客様と出会える絶対数と確率はUPし、夜討朝駆突撃訪問や度重なる電話で煩わしく思われることもなく、時間も問わず相手と接触できる。社内の事情や規定、炎上しないための社内教育など、超えなければいけないハードルがある企業さんもありますが、メリットも大きいです。ぜひSNSを活用したセールス活動に取り組んでみてください。
 
 
※といっても「SNSのアカウントを取得して手当たり次第つながり申請をして、つながった相手に片っ端からDMでセールスをかける」みたいな手法は絶大な逆効果となります。いったん定着したマイナスイメージを取り返すことは大変です。そのあたりはまた書きます。
 
 

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