キリン アサヒ サントリー ビールブランド ツイッター効果比較
こないだはプロ野球12球団のFacebookページ比較をしたのですが、せっかく夏なので夏らしい企業さんの比較をしてみようと思います。
夏らしいと言えばビール。僕はあまりお酒が飲めないので、どのビールを飲んでもあまり味はわからないのですが(すいません)、飲みに行ったときとかに銘柄を指定している人を見ると、それぞれしっかりファンを掴んでおられるんだなー、と感じます。
今回はビールメーカーのTwitterアカウントを比較します。最初は「フォロワーが多いのはキリンさん・アサヒさん・サントリーさん・サッポロさんあたりかなー」と当たりを付けていたのですが、この記事を書くにあたり改めて調べてみました。
すると、「キリンビール」「アサヒビール」のフォロワー数が抜けており、サントリーさんには「サントリービール」というブランドアカウントはありませんでした。
その代わりサントリーさんには「サントリーザ・プレミアム・モルツ」「サントリー ザ・モルツ」というアカウントがあったのですが、キリンさんやアサヒさんのアカウントとはフォロワー数に大きな差がありました。同等に比較するのはちょっと難しいかなという印象です。
以下いくつかグラフや数値を掲載しますが、これは2017/8/13を起算日として過去30日間遡ったものになります。この期間、1年で最もビールが消費される時期に近いのではないでしょうか。
ビールブランド各社Twitterアカウントフォロワー数比較

キリンビール 653,687
アサヒビール 625,883
サッポロビール 56,893
サントリーザ・プレミアム・モルツ 137,059
サントリー ザ・モルツ 40,937
実質、キリンさんとアサヒさんの一騎打ちの様相ではありますが、フォロワー数だけではTwitterの影響度を図ることはできません。もう少し細かく見てみましょう。
ビールブランド各社Twitterエンゲージ数比較

キリンビール 90,682
アサヒビール 1,309,803
フォロワー数は3万ほどキリンビールの方が多いのですが、エンゲージ数(RT・引用ツイート・いいね)は大差でアサヒビールがリードしています。キリンビールさんはアサヒさんの7%ほどしかエンゲージを獲得できていません。
アサヒビールさんのコンテンツはそんなに面白いのでしょうか。もしくはキリンビールのコンテンツがくだらなすぎるのでしょうか。もうちょっと掘り下げてみましょう。
ビールブランド各社 Twitter「いいね」獲得数比較
各投稿につけるいいねです。もしよかったら僕がこの記事を紹介したこちらのツイートに「いいね」つけておいてください笑。

さきほどの「エンゲージ数」と比較すると、アサヒさんとキリンさんの差はそれほどでもなくなっています。
キリンビール 29,161
アサヒビール 47,754
キリンビールさんはアサヒビールさんの61%ほど「いいね」を獲得しています。エンゲージ数が大差である理由はここではないと。ということで他の指標もチェックします。
ビールブランド各社 Twitterリプライ数比較

こちらも「いいね」と同じぐらいの数値の開きです。全体のエンゲージメント数比較でみられたほどの圧倒的な大差ではありません。
キリンビール 2,857
アサヒビール 4,613
キリンビールさんはアサヒビールさんの62%のリプライを獲得しています。数値で見ても「いいね」獲得数とほぼ同じ水準の差であることがわかりますね。
ビールブランド各社 Twitter RT数比較

さて、キリンビールさんとアサヒビールさんのエンゲージメント数が大きく異なるのは、ここに原因がありそうです。
RT数は
キリンビール 30,444
アサヒビール 375,749
圧倒的な大差です。アサヒさんはキリンさんの12倍以上のリツイートを獲得しています。
ここまで、数値のみを見て推測できることは以下のとおり。
1.Twitterの世界の中でのビール戦争は、キリンビール・アサヒビールが2強。
2.アサヒとキリンではフォロワー数だけ見るとややキリンビールが上回っているものの、大差は無い。
3.アサヒビールのエンゲージメント数は他社を圧倒しており、告知効果も最大。
4.特にアサヒビールはRTの獲得数がズバ抜けており、ユーザーが反射的に拡散したくなるようなコンテンツを発信できている。
4′.キリンビールは「いいね」やリプライは獲得できているものの、RTが少ないためにアサヒビールに大きく差を開けられている。
となります。
ただ、数値だけでは判断できません。実際にどんな投稿をし、どんなコミュニケーションが発生しているのか、実際のツイートを見てみましょう。まずはアサヒビールさんから。
と、まずアサヒビールさんのツイッターアカウントを開いて目に止まったのがこのツイート。
画像もいいんですが、テキストの記載がいかにもTwitterな感じです。
ハッシュタグも巧みに活用されています。
まあひとつ言っちゃうと、Twitterユーザーはこのトゲトゲ爆発表現結構好きです笑
これも面白いですね。こちらは投稿された数日前に「ドラゴンクエスト11」が発売されており、それに乗っかったカタチでしょう。こういう風に「遊べる」アカウントは強いです。現時点で446RT獲得しています。
てっきりトップに大々的なフォロー&リツイートなどのキャンペーンツイートを貼り、広告を併用しながらRTを獲得されているのかと想像していたのですが、そうでもないようです。
もちろん、タイミングを見計らいながらキャンペーンは実施されているのでしょうが、どちらかと言うと地道にTwitterユーザーが好みそうな表現で情報を発信し、共感を得ながらRTも獲得しているという運用ですね。
対してキリンビールさんはどうでしょうか。
山の日に麒麟が山に昇っとるヤッホーwww 1,213RT獲得しています。
アサヒビールさんの投稿と比較しても遜色がないどころか、この投稿だけを見るとRTはもっとたくさんとれそうです。さらに遡ってみましょう。
ちょっと告知的な投稿が続きます。RTも100に満たず、さきほどのヤッホーツイートと比較すると、やや告知効果は下がる印象です。TwitterAnalyticsで見たインプレッション数も小さな数字になっているのではないかと想像できます。
ただキリンビールさんのアカウントで特徴的なのはこういうのです。
なんとなく、いい意味でつくりこまれた感が無くて、中の人が動きながらその場でツイートしているような投稿が結構あります。
「ひと」が見えるとフォロワーは何か言いたくなります。こういう投稿が「リプライ」を呼び、アサヒさんとはエンゲージメント数は大差でも、リプライ数はそこまで大きく差が開いていない要因なのではないでしょうか。
まとめてみます
今回、もうちょっと多くのアカウントを比較したかったのですが結局は2強、アサヒビールとキリンビールのアカウント比較にとどまってしまいました。
上記2つのアカウントを比較すると、「数」ではアサヒビールさんが圧倒しています。
ただ、キリンビールさんのアカウント運用もアサヒビールさんにはない特徴があり、一概にどちらが良いとは言えないなーと感じています。
「とにかくフォロワーとRTを獲得し、情報をどんどん拡散するべし!」という方針ならアサヒビールさんのような運用が良いでしょう。ある意味王道かもしれません。
ですが、中の人の業務風景を見てもらいながら、既存のファンに加えてそれを見た他のファンにも親近感を感じてもらう、という役割を、キリンビールさんのアカウントでは十分に果たしているようにも見えます。
要は「どういうアカウントにしたいのか」「Twitterを使って何をしたいのか」という目的を決め、その目的と実際の運用状況を照らし合わせながら改善していくことが必要なのではないかと、改めて感じた次第でございます。
「自分の業界はどうなってる??」と調べてほしい方がいらしゃったら、Twitterでリプライでも飛ばしてください。時間あったら調べてみます。
「いや、自社と同業他社で見てみたい」という場合は個別対応になります。見積もり出しますので別途お問い合わせを。
田村でした。
リンクトイン 操作方法解説動画 一覧
/カテゴリ: ソーシャルメディア, ブログ /作成者: tamuranoritakaHow to use Linkedin on LinkedIn learning for Japanese.
LinkedInラーニングで操作方法をムービーで説明
LinkedIn 入門
リンクトイン個人アカウントの詳細なプロフィールやプライバシー設定の方法。通常時の使い方や仕事の探し方まで、基本的な操作方法や活用方法を解説しています。

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リンクトインには個人アカウントだけでなく「会社ページ」と呼ばれる法人用のアカウントもあります。求人広告や自社の情報をリンクトインの中で発信するためには、会社ページを持っておくことが必須となります。
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LinkedInで会社ページを活用しよう(リンクトインラーニング)
LinkedInモバイルアプリの基本機能
今やソーシャルメディアが利用される最も多いデバイスはスマートフォンです。リンクトインも例外ではなく、スマートフォンでリンクトインを通じて他のユーザとコミュニケーションをとることで、あなたのビジネスも拡大できるかもしれません。
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LinkedInモバイルアプリの基本機能(リンクトインラーニング)
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2017衆議院議員選挙に候補者はどうソーシャルメディアを運用すれば良いのか
/カテゴリ: ソーシャルメディア /作成者: tamuranoritakaTwitter Facebook Instagram を2017の選挙で活用する
2016年の参議院選挙のお手伝いをさせて頂いたことをどこかでご存知になられたのか、パラパラと今回の衆議院議員選挙に向けて、ソーシャルメディア運用のご相談を頂いています。だいたい聞かれる内容は似たような感じなので、候補者さん本人だけでなく、支援されるスタッフさんなど関係者の方にも向けて、改めてまとめてみました。
公示前・選挙期間中・開票後に分けてみましたので、この記事を公開した10/4のタイミングでは特に「公示前」のところを参考に見てください。
公示前のソーシャルメディア運営
・プロフィール画像をポスターと同じものに変更しておいてください。
〜イメージは統一しましょう。
・ヘッダー画像はペットや風景などのゆるいものではなく、辻立ちしている場面や支援者と交流していることがわかる画像に変更しておいてください。
・アカウント名はポスターや政権放送の時に出す形式に統一してください。
✕ ポスター表記は「たむらのりたか」なのにTwitterアカウントは「田村憲孝」になっている。
◯ポスター表記を「たむらのりたか」とひらがな表記にしたのに合わせて、TwitterやFacebookページ、Instagramなどすべてのアカウント名を「たむらのりたか」に設定する。
・基本的にアカウント名は候補者の名前のみ、シンプルなものにしてください。特段の事情がなければ、たとえば「たむらのりたか事務所」などではなく「たむらのりたか」のように名前のみ記載するようにし、検索されやすい状態にしておいてください。
・プロフィールテキスト(特にTwitter)を最新の内容に書き直してください。Twitterの場合はプロフィール欄に160文字記載することが可能です。できるだけ160文字いっぱい使って活動履歴や公約などを記載してください。
・選挙戦前にできるだけ広告を使って、Twitterのフォロワー・Facebookページのファンを獲得しておいてください。
〜選挙戦期間に情報をとどけることのできる母数を事前に確保しておくためです。
・若いユーザーに支持を得たいならインスタグラムもやりましょう。
選挙期間中のソーシャルメディア運営
※まず、誰が運用するのか問題について
昨年私が初めて参議院議員選挙でソーシャルメディア運用のサポートをさせて頂いた際、普段企業さんに言うように「できるだけ候補者本人さんが1日5回以上投稿してください」と伝えてたのですが、ムリでした(苦笑)。
もともとソーシャルメディアのヘビーユーザーだった候補者さんはなんとかやってもらえました。しかし、選挙を機に初めてTwitterやFacebookに取り組んだ方は選挙期間はソーシャルメディアどころではなくなります。
結果、本人さんができないなら、うまく秘書さんなどサポートされるスタッフの方が本人に代わって投稿されるというのが、現実的な運用体制となります。ただし、本人名義のアカウントをスタッフの方が発信される頻度が高い場合は、プロフィール欄に「秘書が投稿することがあります」などと書き添えておきましょう。
・前回の選挙より、動画が非常に有効な手段になっています。演説の様子はもちろん、移動しながら食事をとる場面などの慌ただしい様子なども見せるといいです。ここ1〜2年、各ソーシャルメディアでLIVE配信機能も充実してきていますので活用をおすすめしますが、LIVEの場合はくれぐれも失言に注意してください。→あぶない方はLIVE機能は利用しないのが得策です。
・毎日1日の最後に「今日お会いしたみなさまありがとうございましたー!明日は。。」などと、テキストもしくは動画で配信すると、日々の活動状況を定期的に有権者に伝えることができます。
・禁じ手ではありますが、他党・対立候補批判は比較的多くのソーシャルメディアユーザーが反応してくれるコンテンツになります。ただそればかりだと「自身の政策をもっと語れ!」と批判されます。他の投稿とのバランスを考えながらではありますが、時には他党・対立候補批判投稿もアリかもしれません。
・投票日前日午後8時前後に必ずお礼投稿をしてください。結果はどうあれ、お礼投稿の有無が今後の活動を左右します。
開票後のソーシャルメディア運営
・結果の良し悪しにかかわらず、確定した時点でお礼の投稿をしてください。
・投稿頻度は選挙戦の最中よりも落としても良いので、できるだけTwitter・Facebookの運用は継続してください。「この人、選挙の時だけTwitterに出てくるなぁ。。」という印象づけるのは良くないです。普段からソーシャルメディアで情報発信し、コミュニケーションをとりながら政策や活動への理解を獲得します。その上で次の選挙戦を迎えるというのが自然な流れです。
有権者は選挙のときだけ熱心に活動する政治家に対し、多かれ少なかれ嫌悪感をもちます。これはリアルな場でもソーシャルメディアでも同じです。継続的な情報発信は大変ではありますが、中長期的な視点で見るとメリットしかありません。また、今や日本だけで何千万人のユーザーが存在するTwitterやFacebookを無視して活動することは、もはや現実的ではありません。
ご自身で投稿することが難しければ、口述してスタッフの方が投稿されるというオペレーションでもまったく問題ありません。ぜひ今回の選挙を機会に取り組んでみてください。
田村でした。
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ビール各社 Twitterアカウント比較
/カテゴリ: ソーシャルメディア /作成者: tamuranoritakaキリン アサヒ サントリー ビールブランド ツイッター効果比較
こないだはプロ野球12球団のFacebookページ比較をしたのですが、せっかく夏なので夏らしい企業さんの比較をしてみようと思います。
夏らしいと言えばビール。僕はあまりお酒が飲めないので、どのビールを飲んでもあまり味はわからないのですが(すいません)、飲みに行ったときとかに銘柄を指定している人を見ると、それぞれしっかりファンを掴んでおられるんだなー、と感じます。
今回はビールメーカーのTwitterアカウントを比較します。最初は「フォロワーが多いのはキリンさん・アサヒさん・サントリーさん・サッポロさんあたりかなー」と当たりを付けていたのですが、この記事を書くにあたり改めて調べてみました。
すると、「キリンビール」「アサヒビール」のフォロワー数が抜けており、サントリーさんには「サントリービール」というブランドアカウントはありませんでした。
その代わりサントリーさんには「サントリーザ・プレミアム・モルツ」「サントリー ザ・モルツ」というアカウントがあったのですが、キリンさんやアサヒさんのアカウントとはフォロワー数に大きな差がありました。同等に比較するのはちょっと難しいかなという印象です。
以下いくつかグラフや数値を掲載しますが、これは2017/8/13を起算日として過去30日間遡ったものになります。この期間、1年で最もビールが消費される時期に近いのではないでしょうか。
ビールブランド各社Twitterアカウントフォロワー数比較
キリンビール 653,687
アサヒビール 625,883
サッポロビール 56,893
サントリーザ・プレミアム・モルツ 137,059
サントリー ザ・モルツ 40,937
実質、キリンさんとアサヒさんの一騎打ちの様相ではありますが、フォロワー数だけではTwitterの影響度を図ることはできません。もう少し細かく見てみましょう。
ビールブランド各社Twitterエンゲージ数比較
キリンビール 90,682
アサヒビール 1,309,803
フォロワー数は3万ほどキリンビールの方が多いのですが、エンゲージ数(RT・引用ツイート・いいね)は大差でアサヒビールがリードしています。キリンビールさんはアサヒさんの7%ほどしかエンゲージを獲得できていません。
アサヒビールさんのコンテンツはそんなに面白いのでしょうか。もしくはキリンビールのコンテンツがくだらなすぎるのでしょうか。もうちょっと掘り下げてみましょう。
ビールブランド各社 Twitter「いいね」獲得数比較
各投稿につけるいいねです。もしよかったら僕がこの記事を紹介したこちらのツイートに「いいね」つけておいてください笑。
さきほどの「エンゲージ数」と比較すると、アサヒさんとキリンさんの差はそれほどでもなくなっています。
キリンビール 29,161
アサヒビール 47,754
キリンビールさんはアサヒビールさんの61%ほど「いいね」を獲得しています。エンゲージ数が大差である理由はここではないと。ということで他の指標もチェックします。
ビールブランド各社 Twitterリプライ数比較
こちらも「いいね」と同じぐらいの数値の開きです。全体のエンゲージメント数比較でみられたほどの圧倒的な大差ではありません。
キリンビール 2,857
アサヒビール 4,613
キリンビールさんはアサヒビールさんの62%のリプライを獲得しています。数値で見ても「いいね」獲得数とほぼ同じ水準の差であることがわかりますね。
ビールブランド各社 Twitter RT数比較
さて、キリンビールさんとアサヒビールさんのエンゲージメント数が大きく異なるのは、ここに原因がありそうです。
RT数は
キリンビール 30,444
アサヒビール 375,749
圧倒的な大差です。アサヒさんはキリンさんの12倍以上のリツイートを獲得しています。
ここまで、数値のみを見て推測できることは以下のとおり。
1.Twitterの世界の中でのビール戦争は、キリンビール・アサヒビールが2強。
2.アサヒとキリンではフォロワー数だけ見るとややキリンビールが上回っているものの、大差は無い。
3.アサヒビールのエンゲージメント数は他社を圧倒しており、告知効果も最大。
4.特にアサヒビールはRTの獲得数がズバ抜けており、ユーザーが反射的に拡散したくなるようなコンテンツを発信できている。
4′.キリンビールは「いいね」やリプライは獲得できているものの、RTが少ないためにアサヒビールに大きく差を開けられている。
となります。
ただ、数値だけでは判断できません。実際にどんな投稿をし、どんなコミュニケーションが発生しているのか、実際のツイートを見てみましょう。まずはアサヒビールさんから。
と、まずアサヒビールさんのツイッターアカウントを開いて目に止まったのがこのツイート。
画像もいいんですが、テキストの記載がいかにもTwitterな感じです。
ハッシュタグも巧みに活用されています。
まあひとつ言っちゃうと、Twitterユーザーはこのトゲトゲ爆発表現結構好きです笑
これも面白いですね。こちらは投稿された数日前に「ドラゴンクエスト11」が発売されており、それに乗っかったカタチでしょう。こういう風に「遊べる」アカウントは強いです。現時点で446RT獲得しています。
てっきりトップに大々的なフォロー&リツイートなどのキャンペーンツイートを貼り、広告を併用しながらRTを獲得されているのかと想像していたのですが、そうでもないようです。
もちろん、タイミングを見計らいながらキャンペーンは実施されているのでしょうが、どちらかと言うと地道にTwitterユーザーが好みそうな表現で情報を発信し、共感を得ながらRTも獲得しているという運用ですね。
対してキリンビールさんはどうでしょうか。
山の日に麒麟が山に昇っとるヤッホーwww 1,213RT獲得しています。
アサヒビールさんの投稿と比較しても遜色がないどころか、この投稿だけを見るとRTはもっとたくさんとれそうです。さらに遡ってみましょう。
ちょっと告知的な投稿が続きます。RTも100に満たず、さきほどのヤッホーツイートと比較すると、やや告知効果は下がる印象です。TwitterAnalyticsで見たインプレッション数も小さな数字になっているのではないかと想像できます。
ただキリンビールさんのアカウントで特徴的なのはこういうのです。
なんとなく、いい意味でつくりこまれた感が無くて、中の人が動きながらその場でツイートしているような投稿が結構あります。
「ひと」が見えるとフォロワーは何か言いたくなります。こういう投稿が「リプライ」を呼び、アサヒさんとはエンゲージメント数は大差でも、リプライ数はそこまで大きく差が開いていない要因なのではないでしょうか。
まとめてみます
今回、もうちょっと多くのアカウントを比較したかったのですが結局は2強、アサヒビールとキリンビールのアカウント比較にとどまってしまいました。
上記2つのアカウントを比較すると、「数」ではアサヒビールさんが圧倒しています。
ただ、キリンビールさんのアカウント運用もアサヒビールさんにはない特徴があり、一概にどちらが良いとは言えないなーと感じています。
「とにかくフォロワーとRTを獲得し、情報をどんどん拡散するべし!」という方針ならアサヒビールさんのような運用が良いでしょう。ある意味王道かもしれません。
ですが、中の人の業務風景を見てもらいながら、既存のファンに加えてそれを見た他のファンにも親近感を感じてもらう、という役割を、キリンビールさんのアカウントでは十分に果たしているようにも見えます。
要は「どういうアカウントにしたいのか」「Twitterを使って何をしたいのか」という目的を決め、その目的と実際の運用状況を照らし合わせながら改善していくことが必要なのではないかと、改めて感じた次第でございます。
「自分の業界はどうなってる??」と調べてほしい方がいらしゃったら、Twitterでリプライでも飛ばしてください。時間あったら調べてみます。
「いや、自社と同業他社で見てみたい」という場合は個別対応になります。見積もり出しますので別途お問い合わせを。
田村でした。
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プロ野球12球団 Facebook活用状況 比較 2017/7
/カテゴリ: 野球とネットとソーシャルメディア /作成者: tamuranoritakaNPB 球団別フェイスブックページ 利用状況
オールスターゲームも終わり、後半戦に入った日本のプロ野球。赤いチームのマジック点灯が間もないと言われる中、日々熱戦が繰り広げられております。
毎日野球の結果を見ながら過ごしている私でございますが、せっかくソーシャルメディアに関わるお仕事をしていますので、プロ野球12球団のソーシャルメディア活用状況を調べてみようと、さっき思い立ちました。
今回は12球団のFacebookページ活用状況を見てみます。まず、データをご覧頂き、続いて定性的にチェックしてみます。
題材は野球ですが、Facebookページを運用されている企業の担当者さんにも見ていただき、他社と自社の運用状況を比較する際に注視するポイントなどを理解していただけるように書きます。
※データはすべて7/29から30日間遡ったものを集計しています。
プロ野球12球団 Facebook ファン数比較
それではまず、2017年7月時点でのファン数を比較してみましょう。


阪神タイガースが353,598、巨人が303,276と上位に並び、あとは日ハム・楽天・DeNAと続きます。阪神が巨人より多いのは少し意外でした。
ちなみにこちらが2017年7/29までのチーム別主催試合観客動員数です。球場のサイズやチームごとの試合数も違うのでこのまま鵜呑みにはできませんが、ひとつの目安になると思います。


観客動員数とFacebookのファン数を比較すると、「ソフトバンクはあまりソーシャルメディアでの露出は積極的ではないのかな」とか「楽天・DeNAは他球団より動員は少なめだが、オンラインでのプロモーションをがんばってる感じかな」などと球団の方針を推測できます。
セパ両リーグ各チームFacebookページ 投稿数比較
投稿数はファン数がもっとも少ないオリックスバファローズが最多の248となりました。
西武もオリックス同様、ファン数のランキングと比較すると投稿数が大きくなっています。Facebookページのファンが少ないので、投稿頻度でカバーしようという考えなのでしょうか。
12球団Facebookページ エンゲージメント数・エンゲージメント率比較
投稿したコンテンツに対しての反応数(いいね・コメントなど)を「エンゲージメント数」といいます。
ファン数に対してどれだけの人がエンゲージしてくれたのか、その率を「エンゲージメント率」といいいます。
各球団、日々の投稿に対してどれぐらいの反応を得られているのでしょうか。
※エンゲージメント率の算出方法は「リーチ」をベースにする場合もありますが、ここではファン数をベースにしています。
まずはエンゲージメントの数です。


数としては阪神がトップに来ています。
ではこれをファン数で割って「エンゲージメント率」で並べるとどうなるでしょうか。


なんと西武がトップ、オリックスが3位。ファン数では最下位とブービーの2球団がエンゲージメント率ではトップに躍り出ました。
確かに、ファン数が増えるほどエンゲージメント率は下がるというFacebookページの特徴はあるのですが、他球団と比較すると、よりファンに支持される運用ができていると見ることもできるでしょう。
1投稿あたりの効果比較
最後に、1投稿あたりのエンゲージメント数(いいね・コメントなどの反応数)を調べてみましょう。


これはファン数にも左右されるので仕方ないのですが、トップは阪神です。2位に入ったのがDeNA。
DeNAはファン数は6位なのですが、1投稿当たりのエンゲージメント数は阪神に並びそうな勢いです。
逆にFacebookページのファンが少ない西武やオリックスは1投稿あたりのエンゲージ数も下位に甘んじています。
しかし、西武・オリックスは過去30日間のエンゲージメント率は高いという結果を上記に記載しました。30日間のエンゲージメント率は高いのに1投稿あたりのエンゲージメント数が少ないというのは投稿頻度に起因します。
他の球団と比較してオリックスの場合は248、西武の場合は165と非常に多い投稿数となっています。1投稿あたりのエンゲージメント数が少なくても、数を稼ぐことによってファン数に対するエンゲージメント率を確保しているということです。
ではどんな運用が良いのか?
理想としては阪神タイガースのように、まずはFacebok上でファンを多く抱え、ファンになってくれたユーザーに適切なコンテンツを提供するという形がベストです。
ここで、この2チーム
阪神→ファン数1位(353,498):1投稿当たりの反応数1位(3372.0)
DeNA→ファン数5位(157,165):1投稿当たりの反応数2位(3167.4)
の投稿を比較してみます。
阪神と比較すると、ファンの数が半分以下であるDeNAですが、投稿への反応はほぼ同水準です。どのような違いがあるのでしょうか。この記事を書いている時点での直近の3投稿を抜き出してみます。
まずは阪神タイガース
つづいて横浜DeNAベイスターズ
どちらかというと、阪神タイガースのFacebookページはテキストで淡々と状況を伝えています。一方DeNAベイスターズは画像や動画をうまく使いながらファンの支持を得ていると想定されます。
あともうひとつ、ファンは少ないけど投稿数はぶっちぎりで多いオリックスバファローズの場合はどうでしょう。
おもしろいではないですか。。。オリックス・バファローズのFacebookページの場合はあとはファンの数を増やすだけでさらに影響力が持てるはずです。
ただ、観客動員数やメディアへの露出頻度は他のチームと比較して厳しいことは、私もイチプロ野球ファンとして重々承知はしています。
そこで、Facebook広告などでファンの数を確保しながら、この楽しいコンテンツをオリックスファン以外のユーザーにも見てもらうことから始めてはいかがでしょう。
より多くのユーザーに見てもらうことによって、Facebookをキッカケに球場に足を運んでくれるファンもリアルに獲得できるはずです。
オリックスにはバファローズポンタもいます。がんばってほしいものです。
あ、最後に。セ・リーグの赤いチームを記載していませんが、これは手を抜いたのではなく、赤いチームのFacebookページが存在しないためです。念の為。
気が向いたら今度はインスタ編やります。それでは。
田村でした。
プロフィール・実績・掲載メディア(雑誌・新聞)
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交流戦が終わってプロ野球ファンがチェックしておくべきFacebookページ・Twitterアカウントとは
/カテゴリ: 野球とネットとソーシャルメディア /作成者: tamuranoritakaこんにちは田村です。野球とネットとソーシャルメディアを研究しているひとです。
プロ野球、交流戦も終わり、先週末よりリーグ戦が再開されました。改めて情報を収集せにゃあなりません。FacebookとかTwitterで予習復習を欠かさず野球を見るようにしましょう。
僕がよく見てるやつ、あなたの役にも立ちそうなのをいくつか紹介しますね。
BaseballCrix Facebookページ
最新の情報というよりは、プロ野球に関する基礎知識・マメ知識のようなネタが日々投稿されています。最近だとおもしろかったのはこちら。
なぜヤクルトの応援で傘を使うようになったのかが書いてます。いや、結構切実でした。
BaseballCrixさんのニュースフィードには、こういう種類の記事が日々流れてきます。僕なんかはついクリックしてしまうのです。
Sports Graphic Number Facebookページ
スポーツ好きにはおなじみのNumberです。野球だけじゃなく様々なスポーツの記事が流れてきます。他の媒体より一歩踏み込んだ取材力と、それぞれの記事のライターさんの思いが強く伝わる、Numberさん独特の読み応えのある記事が並ぶFacebookページになっています。
大魔神と呼ばれた佐々木主浩投手の豪快な学生時代や、ヤクルトのクローザーとして活躍した高津臣吾投手の無名時代を記した記事です。5ページに渡る長編。
Baseball Times Facebookページ
Baseball Times Twitter
Baseball Timesさんは選手のデータベースをまとめて冊子にしてくれたり、球場イベントの配布物作成の協力をされたりと、より現場に近いところで動いておられるイメージがあります。
選手の情報が掲載されているアプリの情報が。
けーーっこう細かく見れますね。テレビ・現場で観戦時、必須ですこれは。
あと最近僕がハマっているのがこちら。
OBTV Twitter
元プロ野球選手が今やってる試合をみながらいろいろ解説してくれる、ニコ生LIVEのアカウントです。
「解説」という体ではありますが、OBさんごとにキャラが立っており、話題が野球とはまったく違う方向に飛ぶこともあります笑。
みんなでピザを食べたり、急に植栽の世話を始めたりw 現役時代やTVの解説では見られないOBさんたちの素の姿を見ることができます。流れるコメントにもきちんと答えてくれたりと、なんか新しいスタイルのコンテンツです。
↓ニコ生のOBTVチャンネルはこちら。
OBTV ニコ生チャンネル
いやしかし。野球はいいですねい。
田村でした。
プロフィール・実績・掲載メディア(雑誌・新聞)
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朝日新聞将棋取材班が棋譜中継権利侵害に対して発信したツイートについて思うこと
/カテゴリ: ソーシャルメディア /作成者: tamuranoritakaきのうこれが燃えてました。
このアカウントが言及しているとおり権利侵害にあたるのか。そもそも「中継」の定義はなんなのか。後日だったら載せても良いけど、その時リアルタイムに棋譜を載せるのはダメなのか。など、様々な意見が飛び交っております。
図式としては、指摘された本人は素直に聞いたものの、そのツイートを見たほかのユーザーから様々な見解が書き込まれ「炎上」に近い状態になったというところですね。
僕は将棋に詳しくもないですし、これが権利侵害にあたるのかどうかなどまったくわかりません。ここはひとつ、ソーシャルメディアコンサルタントとしてこの現象を見て感じたこと2つ書きます。
1.もはや「ソーシャルメディアでそれを言うのはやめてくれ」と言っても誰にも止められない。
目の前にあるものを撮影しInstagramにアップする。テレビで放送されているものの内容をすこしずつツイッターで共有する。などなど、ユーザーの行為を権利者であろうが誰であろうが、止めるのはもはや不可能です。
そういえばちょっと前、渋谷駅のハチ公の前でデビューしたばっかりのアイドルがステージで歌ってたのですが、最前列に「撮影禁止」「SNS投稿禁止」と書いた看板を持った係員が立ってました。それを見た高校生「んじゃ人前にでてくんなよ」と。
そういうことです。モラルやマナー、ましてや法律を守らないといいけないということは大前提なのですが、現実そうなのです。一次情報を発信する企業やメディアはそれを理解しておかなければいけない時代なのです。
2.出てしまうものはしょうがない。ではどうするか。
1年ほど前に海外のアーティストの事例をどこかのニュースで読んだ記憶があります。
違法アップロードがYouTubeやFacebookで増えてきた
↓
DVDやライブチケットの売上減少を懸念し、当初は削除依頼をひとつひとつ出していた。
↓
時間が経過するとともに違法アップロード数が膨大となり、削除依頼の作業が追いつかなくなってきた。
↓
逆手に取ることを思いついた。
↓
「自分の動画や画像を持ってたら、どんどんアップロードしてねー。」とメッセージを発信。
↓
さらにアップロードされるコンテンツが増加(本人が良いと言っているのでもはや違法でもなんでもない)。
↓
認知度が高まりDVDとかライブチケットの売上が伸びた。
みたいな内容の記事だったと思います。(検索しても見つかしませんでした。これ読んでる方の中でもし思い当たるものがあれば教えてください。リンク載せます。)
それとかこんな意見もあります。
YouTubeへ違法アップロードが気持ち的にダメと言い切れない理由
この記事、サブタイトルは「文化資産は企業や団体ではなく個人が持っている」です。
ダメと言ってもやる人間がいるのなら、それを使って自分のメリットを考えた方が早そうです。
3.振り切ったらこうなる
大ヒット中の絵本『えんとつ町のプペル』を全ページ無料公開します(キンコン西野)
著作をタダで公開しちゃった例です。タダで公開されていますが書店やAmazonでは実物が有料で販売されています。
これも結構賛否両論あったのですが、著者の西野さんは「タダで見てそれで買わないひとはそれでいい。それよりも、それでも本を買いたい人と思ったひとが買ってくれればいい。」というスタンスです。実際にこれで売上が落ちたようなことも無いそうです。
個人的に将棋ってあんまり触れることがありません。たまに温泉いったら置いてるのでやるぐらいです。僕みたいな人間が「これはすごいことなんですよ」とか言われて棋譜見せられたら、「ん、どこがすごいの??ほうほう!おもろい!」とかなるかもしれないですよね。で、「これ朝日新聞に載ってるんですよ」って言われたら見るかもしれないですよね。
著作権や肖像権を厳重に守りすぎ、認知度を上げるチャンスを逃していることが世の中結構あるのかもしれません。「著作権が侵害されている!」と思うのか「タダでPRしてくれてるやっほい!」と思うのか。
目くじら立てる前に一息ついて「ちょっとまて、コレ逆にうまく利用できないか??」と考えてみるといいかもですね。まあ、誰がどう見ても絶対に許せないパクリ事例なんかもありますので、一概には言えませんが。
田村でした。
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それではここで、心温まるソーシャルメディアのおはなしをどうぞ
/カテゴリ: ソーシャルメディア /作成者: tamuranoritaka企業さんのインスタグラムやらフェイスブックやらツイッターやらを代行とかコンサルとかいろんなカタチでサポートさせて頂いてると、嬉しいことの方が多いです。あまりつらいことはありません。いい仕事です。
と言うか、ああやっぱりこのクライアントさん、ファンに愛されてるんだなぁと感じられるユーザーからの反応が、毎日結構あります。
外部の僕がそう感じるということは、その企業の社員さんは当然僕なんかより、もーーっと嬉しい感情が強いはずです。
最近、僕が見させてもらってる企業さんで実際に書き込まれたコメントやリプライを、キャプチャ貼ろうと思ったんですがさすがにそれはまずいので、一部抜粋して貼っつけますね。
イベントが終了したときには
ご来店されたお客さまから感謝の声1
「中の人」が風邪をひきながらツイートしていると知り
「中の人」のテンションについて。
ご来店されたお客様からの感謝の声2
リピーターさんからは
新しいサービスをリリースした直後に
これ、ソーシャル担当者さんのみならず、他の社員さんに伝えても嬉しいはずです。現場であった出来事をわざわざ書いてくださるユーザーもいらっしゃったり、あたたかい世界が繰り広げられるのです。
ソーシャルメディアをやっていなければお客様のアタマの中だけでつぶやかれていた言葉が、目に見えてこちらに届くようになるのです。こんなに精神衛生上良いことはありません。
ある企業さんでは「ソーシャルメディアで頂いたお客様からの嬉しいお言葉」と題して、年配の社員さんにも見てもらえるように社内報のようにまとめていらっしゃるケースもあります。社内の雰囲気も良くなります。
「ええっ、ウチもソーシャルやってるけど、そんな声全然とどかへんでぇ!!」とおっしゃるあなたは、こんな感じで運用してください。絶対いい感じになりますから。
ソーシャルメディアコミュニケーションとは
ただ一方では、もちろん「いいレスポンス」だけではなく苦情などが書き込まれることもあります。ただそれはリアルなビジネス同様に真摯に対応すれば大丈夫です。対応を誤らなければ炎上なんか滅多に起こりません。
ゴリゴリにコンバージョンを求めるだけでなく、ソーシャルメディアでは「企業として」というよりも、ひとりの担当者、人間としてお客様と接してみてはいかがですか。こんなにほっこりできるんですよ。
田村でした。
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阪神タイガースのインスタグラムに見る人気企業SNS活用のヒントとは
/カテゴリ: 野球とネットとソーシャルメディア /作成者: tamuranoritaka2017年5月5日、阪神タイガースがInstagramに公式アカウントを開設しました。阪神タイガースでは近年FacebookページやTwitterなどのソーシャルメディアに力を入れており、のみならず「虎テレ」などで主催試合を動画配信するなど、ネット・スマホでのPRに力を入れています。虎好きとしてはたまらなく嬉しいです。
一般企業に比べるとまだまだネット対応に遅れをとっている日本のプロ野球ですが、ようやくここに来てようやく今のユーザーの動向に沿った形での情報提供が充実してきた感じですね。
そこで阪神タイガース。前述のとおり今年の5月5日こどもの日にInstagramが開設され、1ヶ月ちょっとで48,000人のフォロワーを獲得しています。とても良い滑り出しを見せているのですが、どのようにファンとコミュニケーションをとっているのかもう少し突っ込んで見てみましょう。
まずプロフィール文。

非常にシンプルです。既に知名度があり、公式アカウントが存在するだけでフォロワーを獲得できる企業や団体の場合はこれで十分です。露出頻度の高い広報担当者さんなどがいらっしゃる場合はお名前を記載しても良いかもしれませんが、担当が代わった際のリスクなどもあります。
そして開設一発目、最初の投稿はこちら。
阪神タイガースの人気キャラクター、キー太くんによる開設宣言でスタートしました。
ファンの前では見せない選手の表情が並んでいます。1日2〜3枚のペースで投稿されています。
このあたりの画像など、撮影者である広報担当者さんと選手との関係が良いことが、画像から感じられますね。
5月6日、早くもフォロワーが1万人超えた時には笑
この選手たち、特に左の髙山選手と右の北條選手は基本笑わないキャラです。野球中継ではいつも真剣な表情でプレーしています。その中で「なんでそのカオやねん!喜びぃや!!」とツッコミをいれたくなるようなこちらの投稿に、ファンは喜ぶのです。
球団公式インスタグラムが開設されたことを知った外国人選手から「この画像インスタに使ってもいいぜ」と、自撮り画像が広報担当者さんに送りつけられてきたそうです笑。
snowも使ってる!
あと、こちらの画像。ある日の試合前のスナップショットです。
写っているのは2人ともピッチャーなのですが、実はこの日の試合ふたりとも結構打たれてしまいました。コメント欄を見てみると結構辛辣なコメントもあります。しかしそれ以上にふたりの投手に対する応援とアップしてくれている広報さんへの感謝が感じられるコメントが並んでいます。
阪神タイガースというチームは、日本のプロ野球の中でも読売ジャイアンツに次いで歴史があるチームです。2016年の観客動員数も全12球団の中で2番目という人気球団です。
人気球団だけに、インスタグラムをはじめとするソーシャルメディアの活用には議論が繰り返されたのでは、と想像されます。上に挙げた事例のように意図しないコメントが書き込まれることもあります。勝ち負けや選手のプレーの良し悪しがありますので、ユーザーから非難を受けるリスクは一般企業の比ではないはずです。
というところを見てると、知名度のある企業がソーシャルメディアを展開する上でのヒントが、阪神タイガースのインスタグラムには隠されているような気がするのです。
1.基本好かれているアカウントは少数の非難などもろともしない。
みんなで盛り上がっているところにひとりで「練習しろバーカ」とか書いてても浮きます。逆にヘンな人に見えます。
2.やっぱり「裏側」を見せると強い
オフィシャルな情報を見ているだけでは見えないところを出すと、やっぱり喜ばれます。JALさんやANAさんのFacebookページとかでもそうですよね。
3.投稿を担当しているひと自身が楽しむ
今回の阪神タイガースのアカウントがどのように開設にいたったのか、僕には知るよしもありません。しかし、担当である広報さんと選手の関係が非常に良好であることが、投稿画像から滲み出ており、さらにテキストもシンプルですが楽しんでおられるように見えます。それを感じたフォロワーがさらに楽しく感じるという好循環が生まれているのです。
まあ、ここんとこタイガースは調子いいのでいいですが、もし成績が落ち込むようなことがあればその時こそ広報さんの腕のみせどころですね。
田村でした。
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ある企業のTwitterアカウントを半日お預りした結果をTwitterアナリティクスでご覧ください
/カテゴリ: ソーシャルメディア /作成者: tamuranoritaka某企業のツイッターをある平日の午後だけ運用代行したらこうなった
ある梅雨入り前のランチタイム。
某企業の広報担当さん「いやー、なっかなかソーシャルって難しいですよねーー」
田村「そーんなことないっすよ。御社ぐらいの知名度があったら、かんったん!ですよー」
担当さん「んーー、でも田村さんコレみてくださいーー(スマホで自社のアカウント見せる)」
田村「あー、なるほど。大丈夫、ぜんっぜん大丈夫ですこれ。すぐガーンいけます。(効果がすぐに出せるということを擬音で表現)」
担当さん「まじすか。ど、どうしたら。。。とか聞いてもいいんですかね。」
田村「そうですねー。条件さえ整ったら速攻いけるんですけど。。。あ、これ、それぞれのソーシャルメディアのアカウントについて◯◯さん(担当さんのお名前)はどれぐらい権限お持ちなんですか?」
担当さん「あ、基本好きにやっていいって言われてます。逆にそれで結果が出せないのが肩身せまくて。。」
なるほどなー、なんとかしてあげたい。。。。(こころのこえ)
田村「Facebookの広告って打てます?」
担当さん「いまもちょっと打ってるんですが、増額するとなると予算も回さないといけないのでそこはちょっとわかんないです。」
田村「なるほど。んじゃインスタ映えする画像を今日用意してほしい!って言ってもムリですよねぇ。。」
担当さん「んー、PCのファイル探せばいいのあるかもしれないですけど。。」
田村「んじゃ、ツイッター。アカウント今日午後だけ僕に預からせてもらうことってできますか?」
担当さん「あ、それ、別にできますけど、代行のお金出せませんけど??」
田村「そりゃ今日の今日でムリっすよね。その代わり◯◯を◯◯させてもらうことは可能っすか?」
担当「それなら全然おっけーっす!!あ、万一炎上とかしても、私が責任持ちますので!」
田村「ありがたいです。でも、100%炎上なんかしませんからそこはご心配なく!ただ、僕がやってる数時間のあいだに御社にどえらい不祥事とかが起こったら燃えますが、それは僕のせいじゃないですからね!なんとかしますけど。」
担当「えええええ。。。」
田村「っしゃ!んじゃすいません。パスワード教えてもらってもいいですか??」
ということで、半日こちらの企業さんのTwitterアカウントを預からせて頂くことになりました。
預かったアカウントのスペックを公開できる範囲で書くとこんな感じです。
業種:メディア
フォロワー:5,000人台
結果、こちらTwiiterAnalyticsの画面キャプチャでご覧ください。
当日のインプレッション103,754
※当日含む直近28日間の平均1日インプレッションは5,538
当日のリンクのクリック数269
※同16
当日のリツイート数150
※同6
当日のいいね数134
※同6
と半日バブルになりました。
ここでCPACV教の信徒さんたちは「で、CVはいくつだったの?」とか言い出しそうですが、僕は知りません。僕はソーシャルメディアのオーガニック運用(広告は別)はインプレッションとエンゲージメントが全てだと思っているのでそこまで見ていません。
ただCPACV教の信徒さんたちのためにひとつ。「リンクのクリック数」を見て頂ければいかがでしょう。
この半日で269です。
CPC150円(やすっ)と考えたら
¥40,350
ですね。
これを平日週5日、1ヶ月を4週間と考えて20かけると
¥807,000
になりますね。
CPC150円換算でこれです。200円換算なら¥1,076,000円。300円換算なら¥1,614,000です。単純計算です。他のアカウントでまったく同じ結果が出せるとかは保証できませんが、結果としてです。
まあ、僕の場合は職業として複数企業の「中の人」をやっていますので、これ全然特別なことではないのです。まあ言ったら美容師さんが「わたし髪切るのうまいでしょー」って言ってるみたいな、いやそれアンタの仕事やんみたいな、そんな感じです。
ただ、コツコツコツコツ修行が必要な美容師さんの技術とは違って、ある程度の条件を満たしているアカウントなら、ちょっとコツをつかめば誰でもできます。
すぐにでも効果を出せるTwitterアカウントの条件とは
しかしさすがに、すべてどんなアカウントでも同じような効果が出せるとは言えません。いますぐ、今日にでも効果を上げられる条件をまとめてみました。
1.ある程度の知名度があること
「ある程度ってどの程度?」っていうのが難しいところではありますが、感覚的には「ネイルサロン行ったことある人だったら一度はあのメーカーの◯◯を見たことがある」とか「学生時代サッカーやってたんだったら◯◯って会社聞いたことあるんじゃない?」とか、そのぐらいの感じです。
まったく無名の個人アカウントや元々露出の少ない企業さんのアカウントだと、オーガニック投稿だけでは難しいです。それを補うための広告展開なども併せて実施する必要があります。
2.ある程度のフォロワーが既にいること
これも「ある程度ってどの程度?」なのですが、数で言うと「数千人」というところになります。数年前にアカウントを作って、サイトの更新情報やニュースリリースなどを月に数回投稿しているうちにちょっとずつフォロワーが増えて数千人になったというパターンです。
これもある程度の知名度のなせるワザですね。無名の企業が月に数回ニュースリリースを発信したぐらいでは、千人単位でフォロワーを獲得することはムリです。
3.担当者が運用権限をほぼ全権任せてもらっていること
月次で投稿コンテンツミーティングをして
「7月5日 10:00の投稿文は。。。。で、だいじょうぶですか?」
「いや、もうちょっとくだけた表現の方がいいんじゃない?」
「んじゃ語尾を少し若者ふうに。。。」
「でもこないだそんな感じでやったら部長がえらい怒ってましたよ。」
「んん、じゃあこのままでいくか。。。」
「では次、12:00の投稿文は。。。」
。
。
。
とかやってるアカウントは絶対ムリです。
「ウチはこれにあてはまらないからダメだ。。」と思ったあなた。「知名度」や「フォロワー数」は広告で補わなければいけませんが、全然諦める必要はありません。
というわけで、お困りの企業さんもしよかったらご連絡ください。それと、「自分もこんなんできるようになりたい!」と思ってる若い人いたら言ってください。よかったらいろいろ一緒にやりましょう。
「でも、いちど自分でがんばってみたい!」と思ったあなた。このへんの記事読んでやってみてください。このとおりにやったら絶対できますので。
ソーシャルメディアコミュニケーションとは
Twitterのインプレッションは、◯◯すれば上がる! よりツイートを見てもらう鍵の○○とは
田村でした。
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2017都議選でソーシャルメディアを使って情報を発信する候補者さんはこのへん注意しておきましょう。
/カテゴリ: ソーシャルメディア /作成者: tamuranoritaka都議会議員選挙でTwitterとかFacebookを使って有権者にアピールするには
昨年7月、参議院議員選挙の際に内側からソーシャルメディア運用をサポートするという経験をさせて頂きました。まもなく始まる都議選、こちらでもその時に起こったことから得たものを参考にして頂けるのではないかと考えました。
そこでこの記事では、選挙活動の中で「効果を生むポイント」と「注意するべきポイント」をいくつか記載しておきます。
本来、実際に投稿された例を挙げて紹介したほうがおわかり頂きやすいのですが、記事の性質上具体例を紹介できないこと、ご容赦ください。
◆ソーシャルメディアで有権者からの反応を得るには
他党・他候補者の批判をする
企業さんのコンサルをするときなんかもやるんですが、この時も投稿の種類に合わせてどのような投稿が反応が良かったのか・悪かったのかというのを分析しました。結果「批判は跳ねる(効果が良い)」でした。
ただこれもバランスで、すべての投稿が他者批判になると「批判はいいけどあなたに考えは無いの?」という印象を与えます。印象だけでなく、コメント欄などで言及されたりもします。
戦いである以上相手の弱点を攻めることはあるでしょう。しかし選挙の場合は、他者に対する批判も交えながらも自身の伝えるべきことを軸にして運用することを意識しないと、あらぬしっぺ返しを喰らいます。
やっぱり手数大事
選挙カーや街頭演説では候補者さんの名前を何度も発声されますよね。あれはいかにして自身の名前を有権者に覚えてもらえるかどうかをお考えになられた結果だと思います。
であれば、特にTwitterやInstagramのストーリー機能などは、自身の名前と顔を多くの人に見てもらえるチャンスです。そもそも私がネットをビジネスで活用しようと考えたのは、当時営業職だった私がいかにしてお客様との接触頻度をUPして、自分のことを記憶してもらうよう考えた結果です。
このあたり参考になると思います。
↓↓↓
Twitterのインプレッションは、◯◯すれば上がる! よりツイートを見てもらう鍵の○○とは
ソーシャルメディアでファンと接触するなら一等地に露出せよ。
ただ問題は、特に選挙期間とその前の時期は候補者さん自身がスマホを触って発信する余裕が無いということでした。普段からソーシャルメディアに接している方であれば選挙期間内も変わらず発信されるのですが、そうでない候補者さんは一番大事な時期にまったく発信できないというケースが散見しました。
そこで代替策としてやってもらったのが、秘書さんやスタッフなどいつも候補者さんの周辺にいらっしゃる方が、代わって発信されるという方法です。
それも、本人が投稿しているフリなどせず堂々と「秘書です、今日は◯◯駅前に来ています!」などのコメントを付けて候補者本人ががんばる姿を画像でUPするなど、違和感のない方法がユーザーから好意的なコメントをもらうことができました。
Live配信機能をフル活用する
参議院議員選挙の際はまだまだ活用されるケースも少なかったのですが、この1年ほどの間に各メディアでリアルタイムLive配信機能が充実してきています。特に若い層にアピールしたいのなら、InstagramのLive配信などがポイントになってくるでしょう。
演説をそのまま流すのもいいですし、移動の車の中から応援してくれている人たちへの感謝の言葉を伝えてもいいですし、工夫次第であらゆる情報の発信ができます。
◆選挙にソーシャルメディアを利用する際の注意点
反論に対する反論には注意
候補者さんの発言に対しては様々なコメントが書き込まれます。好意的なものばかりだと良いのですが実際そうはいきません。本当に腹が立つコメントや明らかな揚げ足取りコメントもあります。しかも相手は匿名で失うものは何もないアカウントであることがほとんどです。
このようなケースではまず冷静に、対応するべきコメントなのかを見極めてください。ほとんどがスルーしても問題ないものなのですが、中には対応するべきものもあります。
「このコメントには対応するべき」と判断した場合も、直接コメントを返すのではなく、泥沼議論にならないよう改めて全体に向け「先ほどの発言の真意は。。」などの対応をすることがベストです。
こうやれば大丈夫!という答えはありません。発生した事象に合わせて適切に対応しましょう。感情論は火に油なので絶対だめですよ。
災害や事故が発生した際の運用
特に予約投稿機能などを使って運用される際に注意しておいて頂きたいポイントです。
たとえば、地方で大きな災害が発生した、その直後に「つかの間のリラックスタイム。このあと◯◯さんとお会いし戦略会議です!」とくつろいでいる画像などUPすると、批判が集中する恐れがあります。普段のソーシャルメディア運用でも十分に気をつける必要があるのですが、特に選挙期間などにミスがあると致命傷になりかねません。
常に世間の動向をチェックしながら運用し、ふさわしくない予約投稿などがあった場合は速やかに削除しましょう。
企業さんへ向けてソーシャルメディア運用のアドバイスをする際には「政治的な主張や宗教に関連する内容の投稿はダメですよ」と伝えています。しかし、選挙中のSNSの運用で政治的主張をしないというのはナンセンスです。それだけに一定の批判や誹謗中傷が発生することは覚悟しておかなければいけません。
しかし、今や国内にTwitterのユーザーは4000万人、Facebookは2500万人、Instagramも2000万人近いユーザーが存在します。この巨大メディア群を無視するということもナンセンスです。ソーシャルメディアとうまく付き合って有権者に情報を届けてください。
最後に。選挙の時だけ活発になる政治家さんのアカウントを見て、ユーザーはどう感じているかご存知ですか?
「あー、票がほしいからまたこのアカウント選挙前に動き出したんやなぁ。」と思っています。一方、普段からユーザーとコミュニケーションをとっている方は、選挙が始まるとソーシャルメディア内で既に交流を深めていたユーザーが応援してくれるという流れができます。
「今度の選挙はソーシャルをもっと使ってみようかなー」とお考えなら、早めに運用スタートしておきましょう。
参考に参議院選挙が終わった直後に書いた記事にもお目とおしを。おんなじようなこと書いてますね(笑)
国政選挙のソーシャルメディアを内側から見て感じたことを書いてみよう。
田村でした。
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