雇用したアルバイトのソーシャルメディア投稿による炎上を防ぐことはできるのか
某レンタルDVDチェーンのアルバイトさんのツイートがキッカケとなり、本部が謝罪メッセージを公表するという事態が発生しています。
>>店舗アルバイトスタッフによる個人情報に関する投稿について
自身の考えと異なるお客様による店内での言動をとらえ、そのお客様の「個人情報を扱える立場におり、公開することもできる」と発信(半ば脅迫)したことが炎上を招きました。
従業員の発信による炎上というパターンのトラブルは忘れた頃に大きいのがやってきます。以前も製薬会社の社員が自社の商品を持ち出し悪用していたことを匿名で投稿していたケースや、コンビニや飲食店のアルバイト社員が衛生的に問題のある画像を投稿していたケースなど、匿名(すべてのちに特定されるのですが)の従業員による投稿が発端となる炎上が発生しています。
いまは以前と比べてソーシャルメディアリテラシーも向上していますが、まだまだ気を抜くとダメですね。
アルバイトさんを雇用する側から見ると、今はもはや全員がスマホを持っており、かつ、全員がなんらかのSNSをやっていると考えて対処する必要があります。どんな形態であれ「誰かを雇う」という立場であれば、従業員によるSNS炎上はすべての雇用主が持つリスクであると言えます。
交通事故のようなもので、すべての炎上を100%発生しないようにすることは非常に難しいですが、その発生確率を低下させることはできます。
私が
・アルバイトを雇っている、もしくはアルバイトを雇う可能性がある
・一般のお客様を対象としているお仕事である
・多店舗展開している
という条件が揃っているクライアント様に必ず伝えていることを書いておきます。
1.「ソーシャル禁止」は禁止!
いまどき、ソーシャルメディアを禁止しても絶対にやります。言ってもムダです。
2.アルバイト社員はTwitterなどのアカウントを持っていることを前提に、絶対にやってはいけないことを明確に箇条書きで提示してください。
・お客様の容姿や言動に対する発言
※お客様のことを悪く言うことは当然ダメですが、良く言うことも控えてください。「そんなところまで見ているのか!? きもちわるっ!」と炎上のキッカケとなるケースもあります。お客様と一緒に写った画像等をUPする際には、必ずその旨を伝えてからにしてください。
・公開前情報の言及
・従業員であるかお客様であるかを問わず、電話番号や住所をはじめてとした個人情報を言及すること
このあたりを抑えておけば、大半のトラブルは避けることができます。
3.上記に抵触した場合、事業そのものに影響を及ぼすケースもあるが、何よりも本人が多大なダメージを被ることを伝えておく。
今やソーシャルメディアで炎上した人物は発覚後数時間で特定されます。実名はもちろん、通っている学校・電話番号・住所・内定した企業名・家族構成など、ありとあらゆる情報が短時間で明らかにされてネットで公開されます。
事例を集めて雇用時に示しておき、アルバイトさん本人にリスクを認識してもらうことが効果的です。「解雇する」「損害賠償を請求する」と脅すのではなく、本人に発生するデメリットとして事実を示すことです。
※追記 炎上事例を定期的に共有する
2019年、2月になってチェーン店アルバイト従業員の炎上が相次いでいます。ここで「何をしたら炎上するのか」を、実際のサンプルを使ってメンバーに共有してください。周知しておくだけで一定の抑止力があります(100%は無理なんですけどね。。)。ここ最近の傾向としては、
最近燃えてるのはだいたい
どうせ24時間で消えるからとインスタのストーリーズで、サカナをゴミ箱に捨てたり調理中の中華鍋の火でタバコつけたりする動画をあげる
↓
だれかがスクリーンレコードで動画とって拡散
のパターン。24時間で消えるからといって安心したらあきません。
— 田村 憲孝 (@onikohshi) February 10, 2019
が多いようです。
また、こちらのアカウントでは直近の炎上事例をまとめてくれています。こちら見ておくだけでも効果がありますね。
食器洗浄機でバカスタグラム pic.twitter.com/66n66Cdzlg
— netgeek (@netgeek_0915) February 9, 2019
炎上はソーシャルメディアの負の側面ですが、現場にいると報道されているイメージほど頻繁に発生するものでもありません。企業アカウントの運用だけでなく、従業員のソーシャルメディア運用にも正しく対応して、不要なトラブルは避けるようにしましょう。