「Pinterestを使わない意味がわからない」というのをもうちょっと細かいところまで書きたいので書く。
本日のセミナー最終盤でこんなスライドを使いました。
伝えたメッセージは「企業がPinterestを使わない理由がわからない」です。ほんの数分触れただけでしたので、しっかり伝えたくまとめてみました。
Pinterestというと、一般的には「主に若い女性が利用している画像のSNS」という認識が強いようです。PinterestがSNSなのか?という議論は置いておき、Pinterest関連で発信されている内容は女性を中心としたおしゃれ感を前面に出した切り口のものが多いように感じます。
現状ではコスメやアパレルなどの女性向け商品以外で、ビジネスシーンで利用されることをイメージされることはほとんど無いようです。
ただ、私はまったく異なる視点でこのメディアを見ています。結論から言うと、すべての企業が活用するべきツールであると思っています。理由を書きます。
1.他のSNSと異なりアカウントのパワーにこだわる必要がない。
TwitterやInstagramのようにフォロワー数の大小やエンゲージメント率は、私が考える「Pinterstの効果」に対してほとんど影響がありません。極論、アカウントを開設したその日から一定の「効果」を得ることも可能です。
2.では「効果」とは?
Pinterestを企業が活用するメリットは、私は「サイトや他のSNSへの誘導路」になり得ることであると考えています。具体的に言います。
ある画像をあなたが閲覧していたとします。画面を下にスクロールすると、Pinterest内に存在する「今見ている画像と似ている画像」をアルゴリズムで抽出してあなたに勧めてくれます。
その中の一つの画像をクリックして拡大表示します。発信者がその画像の中にリンクを仕込んでおくと、指定したサイトへ遷移します。仕込んでおくのはサイトに限らずInstagramなど他のSNSでも構いません。
※こちらのPinterest投稿。画像をクリックするとInstagramに遷移します。
3.運用の手間がかからない
私がTwitterアカウントの運用をクライアント様にサポートする際、「1日10投稿」「エゴサーチ」「リプライ対応」「トレンドにあったタイムリーなツイート」などの動きを日々していただく必要があると伝えています。手間をかける必要があるのです。ここで「人員が足りない」「時間が無い」などの問題が発生します。
Pinterestでは一切その必要はありません。アカウントを作成したらサイト内の画像をUPし、簡単に画像の内容をテキストで説明し、遷移先のリンクを貼っておけばあとはほったらかしで大丈夫です。Instagramを運用されている企業なら、Instagramに画像をUPしたあと、その画像のリンクを転載すればいいだけです。
メリットしかありません。これが本日私が「Pinterestを使わない意味がわからない」と伝えた理由です。
あえてデメリットを探してみます。日本でのPinterestのユーザー数は公表されていませんが、他のメディアと比較すると数百万人ではないかと推定されます。Twitterの4500万人、Instagramの2900万人と比較するとその影響力は極めて小さいものです。Pinterestを始めたからといって莫大なアクセスがサイトに流れ込むわけではありません。
日本でメディアの影響力が拡大するプロセスには一定の「型」があります。典型的なものは
step1 一般のユーザーが増加する
↓
step2 それを見た企業がメディアの規模感と影響を期待してアカウントの運用を始める
↓
step3 広告メニューが展開され、一般ユーザーと企業が共存する状態になる
TwitterもFacebookも、Instagramももれなくこのステップで影響力を拡大してきました。
しかし、Pinterestの特性を踏まえると、新たなパターンのユーザー数拡大stepを見ることができるのではないかと考えています。あくまで私の想像なのですが
step1 企業が大量にコンテンツをPinterestに投下する
↓
step2 Pinterest内の総画像数が日々更新されるため、一般ユーザーの利用頻度が向上する
↓
step3 一般ユーザーのメリットと企業とのメリットが合致し、ユーザー数が増加する
まず企業から拡大する、というパターンもあり得るのではないか、と思うのです。うまく転がると「企業・ユーザー・Pinterest社」全員が嬉しい三方よしメディアになるポテンシャルを秘めているのではないかと、私は考えています。
私の(妄想に近い)仮説にすぎません。いずれにしても確実にお伝えできるのは「企業にとってデメリットが無いメディアを利用しない理由はない」という一点です。
手間はかかりません。たちまち大きな効果が出るわけでもありませんが、デメリットはなく炎上もありません。もしあなたが企業のメディア担当なら、まずはアカウントを取得してInstagramの投稿を転載してみてください。