さてまだまだ暑い秋口ではございますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。おかげさまでこの半期も何件か新しいお客様からSNS運用のご相談をいただき、お話を聞いてまいりました。
びっくりするんですが、そのほぼすべてが「長年運用してきたSNSの目的が曖昧になっている。設定したKPIが目的と直結していないように感じる。どないしましょ?」「2020年の年初ぐらいから今運用しているすべてのSNS群の方針を構築しなおしたいが、どこから手をつけたらいいのかを迷っている」というものでした。
私は2010年の後半より企業にSNSのサポートをすることで生計を立てていますが、この仕事を始めた当初は「Twitterってなんじゃ?」「アメリカから来たFacebookっていうのが最近は日本でも流行ってるらしいねぇ。」みたいな世界でした。この9年で、企業の情報発信媒体としてSNSはもはやインフラとも言える状況になりました。
ツイッターやりましょうよー、と言ってたらオッサンにチャットで「SNSなんかクソくらえ!(原文ママ)」とか言われてたんですが、いやいや隔世の感がありますねい。
さてさて、これを活用する側の企業さんはこの9年の間に、新しいSNSが登場するたびにそれぞれのSNSにアカウントを開設し、アルゴリズムが変わればそれに対応し、広告メニューが充実すればこれも併用したりと、機能や特徴に対応奮闘されてきました。
さらに運用スタイルについても多種多様。エンゲージが大事だという論もあれば口コミの創出こそがSNSの本質だという説もあり、はたまた単なる広告媒体として活用すれば良いと言われるようなケースもあります。
どの説も単体で見ると非の打ち所がなく全面的におっしゃるとおりです。ただ、個々の企業さんの運用目的や「SNSに求めるもの」と巷にある各論を照らし合わせると、明らかなミスマッチが起こることがあります。
「いまよりもユーザーと近い距離でコミュニケーションをとりたい」と考えている企業さんに対して、「フォロリツキャンペーンが流行ってるのでガンガンやってフォロワーを獲得しましょう!」と言っても、なんか違うのです。
SNSが日本の社会に深く浸透することで、企業が利用するべきメディアの数も増え、それぞれのSNSを利用しているユーザーも数千万人単位となり、「これが正解」と自称する運用論も無数に発生するなか、対応する企業さんは「んーーじゃウチは、どれをどうしたらええんじゃいったい!!!」とやや混乱気味になっておられるのが今なのかなーと、感じたここ2週間でありました。
ここ数ヶ月でお伺いした企業さんには、「サポートする代理店やコンサルタントによって推すSNSが違ったり方針もそれぞれだったりします。でも、根幹の部分は御社がしっかり考えないとだめです。代理店にサポートを依頼するにしても、そこに御社の意思が無いとまた同じことが起こりますよ。」みたいなことをお伝えして帰ってきました。
本日土曜の朝、ひととおり内容を振り返っていると「おっ、これ、ええブログネタやんけー」とふと思ったので、お伝えできる部分のみ以下に記載しておきます。
1.もういちどちゃんと運用の目的を決めましょう
SNSに携わってるあなたなら何度聞いたかわからないであろうこのセリフ。「目的」がSNS運用のすべての根幹です。以前に決めた目的のまま進めるのか、新たに異なる目的を設定するのかを決めてください。
「特に目的は決めずに言われるままSNS運用を始めた。そもそも他社はどんな『目的』を定めているのか?」という場合もあります。はい。他社さんではこんな感じで目的を定めています。
◆認知拡大。とにかくたくさんの人に自社そのもの、もしくは自社のプロダクトについて知ってもらう。
◆ユーザーとのコミュニケーション。SNSを通じてコミュニケーションを図り、企業とユーザーとの距離感を小さくする。メーカーなど直接ユーザーとの接点が少ない企業さんなどがSNS運用の目的として設定されることが多い。
◆売上拡大。SNSを活用して売上を伸ばしたり集客数を上げる。
◆宣伝。他のメディアでも展開している広告活動をSNS上でも行う。
◆告知。宣伝や売上、認知拡大などをSNSに求めるのではなく、自社が伝えたい活動を淡々と伝える。すでに企業やその商品についての知名度があり、社会貢献活動や採用のために社風を発信したいケースなど。
実際に私がクライアント様をサポートする時にはここから派生してさらに目的を細分化していくのですが、大きく分けるとこんなところです。
また、どれかひとつを選択しなければいけないというものでもありません。「告知しながらコミュニケーションも図りたい」とかでも全然いいです。正解はありません。あなたの会社の固有の状況をベースに、何をしたいのかを決めることが重要です。
2.どのSNSを活用するのかを決める
基本的には「流行ってるのはぜんぶやる」べきだというのが私の個人的な考えではあります。もともと営業職なので、労力も費用も少なく多くの人に知ってもらえるならやらなソンソンというのが根底にあったりするので。。
Twitterしかやっていない方もいれば、Instaのストーリーズばっかり見てる人もいます。Facebookもログインしなくなった人にとっては使えないSNSという認識をお持ちかもしれませんが、いやいやぜんっぜんアクティブです。
まずは特定のSNSしか利用していないユーザーに対して、そのユーザーがSNS内で検索した際に企業の公式アカウントが表示される状態にしておいてほしいのです。
とはいえいろんな企業さんを見ていると、すべてのSNSに同じ熱量を持って取り組むのは現実的に難しい場合がほとんどです。なので、目的に合わせてどのSNSをあなたの会社の主力SNSとするのかを決めます。
コミュニケーションを重視したいならTwitter、ビジュアルを中心に商品を見せたいならInstagram、ビジネスユーザーにアプローチしたいならFacebookやLinkedIn。もしくはSNS運用担当者がツイ廃だからとりあえずTwitterをやりましょかー、などなど。
説明がちょっと雑ではありますが、こうやって目的や体制と照らし合わせて主力SNSを決めます。主力SNS以外のSNSでも定期的に更新をしていただきたいところですが、人員的に厳しければネタを使いまわしても構いません。
ちょっと話は飛びますが、個人的に嬉しかったのは、意外とLinkedInに興味を持ってくださるお客様が多かったことです。
最近お伺いした企業さんのうち、結構な数の会社さんがLinkedInの企業ページをすでに持っておられ、残りの企業でも「LinkedInにもFacebookページみたいなのがあるんですか?」と、こちらが言う前に聞かれるケースもありました。
LinkedInの企業ページはこれを見ながらつくってみてくださーい、と伝えておきました(宣伝)。
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「LinkedInで会社ページを活用しよう」コースへようこそ!、コース: LinkedInで会社ページを活用しよう、講師: 田村 憲孝
3.KPIを(定めるのか定めないのかを含め)決める
SNSが普及しその効果を計測するために、エンゲージメント率、ファン・フォロワー数、口コミの数など「この数値をみるべきだ」という指標が多々提唱されるようになりました。
どれも正しいのですが、あなたの会社にとってどの考え方が正しいかはあなたの会社の人にしか判断できません。
たとえば、社内活動やCSR活動を確実に世に知らせたいという場合、エンゲージメント率をKPIとしながら「良かった、悪かった」と評価するのはナンセンスだったりします。
このようなケースでは、エンゲージメント率というKPIを達成するために、本来あなたが世に知らせたい内容とはかけ離れた、エンゲージメントが高そうな映える内容を発信するなど、本末転倒な状態になることもよくあります。
一方では確かに、何かしらのKPIを設定しないと運用が惰性になることもあります。なので最低限のKPIは設定するのがベターです。
ただ上記のように、KPIを追うことで本来の目的から逸脱することが無いようにKPIを低い数値にしたり、KPIを達成することの重要度を低くすることも考えてみてください。
なんとなく、日本企業にとってのSNS運用も過渡期であるように感じます。もしあなたの会社でも同じような問題を抱えているのなら、その運用目的から再度見直してもらうといいかもしれませんね。
田村でした。
SHARPさんのツイートを見てハッと原点に戻った気がしたお話
/カテゴリ: ソーシャルメディア /作成者: tamuranoritakaソーシャルメディアの利用者数が増加するにつれ、プロモーションツール・マーケティングツールとしての色あいが年々強くなっているように感じます。
PCでTwitterの画面を開くとトレンドの最上部にはプロモーションが。タイムラインをスクロールしているとハッシュタグを走らせるカンバセーショナルキャンペーンが。インスタを開くとフォロワーが何万、何十万といるインフルエンサーが今日も元気にPR投稿です。
ソーシャルメディアはそれぞれにユーザーが何千万といるメディアに成長し、企業がそこで情報を発信して多くの人に自社の商品を告知するようになったことは、まあ自然な流れでしょう。
我々のようにその運用ノウハウを提供する業界側からも、「今流行りの運用スタイルはコレだ!」「クチコミを発生させるにはハッシュタグだ!」などとあらゆるテクニック論が展開されています。確かにそれぞれの論調にはエビデンスも明確に存在するために注目が集まります。
個人的には、特に数年前まではこの風潮になんとなく違和感を感じていました。
ソーシャルメディアってもっと人間味があって、いい意味でドロドロしていて、そこに企業も入ってきて一般ユーザと同化して、一緒にドロドロと楽しんでる間に気がつけばPR効果みたいなものが発生している、というのが、自分がイメージしていたソーシャルメディア運用の原型だったからです。
この間、いわゆる運用を外注して進める際のスタイルも変わってきています。
当初は「大事な告知事項だけは(従来の広告クリエイティブを決定する過程と同様に)発信日時と内容を定めて事前に確定する。そのほか日常の投稿やコミュニケーションについては手を動かす人間に任せる」という形態でした。
現在は「すべての投稿を事前に入念に打ち合わせをして確定する」ケースがほとんどです。運用を外注先に任せる場合だけではなく、社内で運用されている場合も同様の傾向があります。
なんか、ソーシャルメディアじゃなくて広告なんですよね。進め方が。でもまあ少し寂しくはありながら、それはそれで一定の効果を出せる状況になってきており、時の流れの中でクライアント様に提供するスタイルも少しずつ変わってきています。
と数年もんもんとしていた中で昨日SHARPさんがツイッターに投下されたのがこちらです。
怒られるかもしれませんが画像になってる部分、全文書き起こします。
—-
シャープの製品が売れたらいいなと思いつつ、私はここで、宣伝する気がありません。なぜなら家電は必要に迫られて買うものです。推しへお布施したり、課金するものでもない。シャープをフォローしたからといって、シャープ製品を買う必要はありません。ましてや買えという広告を見る義理もない。ただでさえ買えという広告にあふれる世の中です。わざわざここで私が、広告を増やすこともないだろうと思うのです。
だからツイッターでのシャープは、みなさんの友人や知人、あるいはサザエさんの三河屋のように、なんとなくあなたの毎日にいる存在を目指したい。近所の野良猫を見かけると「あ、いるな」と思うように、私をツイッターで見かけたら「あ、いるな」と思っていただけるとうれしいです。
ただしみなさんがいつかどこかで、家電を買う必要に迫られた場合は、シャープも候補に入れてください。あっちとこっちで迷ったら、シャープを選んでもらえると幸いです。もちろんお買い物のご相談はいつでもどうぞ。それではどうぞ、よろしくおつきあいくださいませ。
—-
こちらを読んで思うのです。現在目標値として設定することが多い「クチコミの数」や「エンゲージメント数」とは、目標値として設定してそれを達成するために運用して到達するものではなく、そのメディア内で他のユーザーと地道に関わってきた、あくまで結果としての数値なのではないかと。
シャープさんのようなTwitterアカウントは、狙ってエンゲージメント率を上げたのではなく、ソーシャルメディアを楽しんで運用している担当者が振る舞った結果なのではないかと。
それを表面上の数値を見て「ウチもこうやろう」「クチコミを増やすぞ!」「ソーシャルメディアをやったら効果があるぞ!」とかいう状況になるのは、なんか違うのではないかと。
まあそう言いながら、私自身もいろんな場所でソーシャルメディアの運用についてお話をさせて頂いています。
そこではいつも「運用の目的を明確にしましょう」と伝えています。その目的の中には、選択肢として商品のプロモーションや認知の拡大といった項目も提示しています。
目標値を設定して追いかけようというお話もしています。これだけユーザーがいるメディアです。広告でも集客でも従来のオウンドメディア的な運用でもなんでもできます。「この運用スタイルが唯一の正解」などというものはありません。
ただ、ソーシャルメディアの原点である「企業アカウントであろうが個人アカウントであろうが、とにかくなんとなくおもしろく多くの人とワイワイやる」「その結果PR効果が生まれるかもしれないし生まれないかもしれない」みたいなところも、運用担当者のみなさん、どっかアタマの片隅に置いておいてほしいなと、シャープさんのツイートを見て思った次第でございます。
すいません。なんのノウハウもない感想文でございました。引き続きなにとぞ。
田村でした。
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企業SNS運用の根本的な問題に対する解決策をあちこちでべらべら喋ってきました
/カテゴリ: ソーシャルメディア /作成者: tamuranoritakaさてまだまだ暑い秋口ではございますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。おかげさまでこの半期も何件か新しいお客様からSNS運用のご相談をいただき、お話を聞いてまいりました。
びっくりするんですが、そのほぼすべてが「長年運用してきたSNSの目的が曖昧になっている。設定したKPIが目的と直結していないように感じる。どないしましょ?」「2020年の年初ぐらいから今運用しているすべてのSNS群の方針を構築しなおしたいが、どこから手をつけたらいいのかを迷っている」というものでした。
私は2010年の後半より企業にSNSのサポートをすることで生計を立てていますが、この仕事を始めた当初は「Twitterってなんじゃ?」「アメリカから来たFacebookっていうのが最近は日本でも流行ってるらしいねぇ。」みたいな世界でした。この9年で、企業の情報発信媒体としてSNSはもはやインフラとも言える状況になりました。
ツイッターやりましょうよー、と言ってたらオッサンにチャットで「SNSなんかクソくらえ!(原文ママ)」とか言われてたんですが、いやいや隔世の感がありますねい。
さてさて、これを活用する側の企業さんはこの9年の間に、新しいSNSが登場するたびにそれぞれのSNSにアカウントを開設し、アルゴリズムが変わればそれに対応し、広告メニューが充実すればこれも併用したりと、機能や特徴に対応奮闘されてきました。
さらに運用スタイルについても多種多様。エンゲージが大事だという論もあれば口コミの創出こそがSNSの本質だという説もあり、はたまた単なる広告媒体として活用すれば良いと言われるようなケースもあります。
どの説も単体で見ると非の打ち所がなく全面的におっしゃるとおりです。ただ、個々の企業さんの運用目的や「SNSに求めるもの」と巷にある各論を照らし合わせると、明らかなミスマッチが起こることがあります。
「いまよりもユーザーと近い距離でコミュニケーションをとりたい」と考えている企業さんに対して、「フォロリツキャンペーンが流行ってるのでガンガンやってフォロワーを獲得しましょう!」と言っても、なんか違うのです。
SNSが日本の社会に深く浸透することで、企業が利用するべきメディアの数も増え、それぞれのSNSを利用しているユーザーも数千万人単位となり、「これが正解」と自称する運用論も無数に発生するなか、対応する企業さんは「んーーじゃウチは、どれをどうしたらええんじゃいったい!!!」とやや混乱気味になっておられるのが今なのかなーと、感じたここ2週間でありました。
ここ数ヶ月でお伺いした企業さんには、「サポートする代理店やコンサルタントによって推すSNSが違ったり方針もそれぞれだったりします。でも、根幹の部分は御社がしっかり考えないとだめです。代理店にサポートを依頼するにしても、そこに御社の意思が無いとまた同じことが起こりますよ。」みたいなことをお伝えして帰ってきました。
本日土曜の朝、ひととおり内容を振り返っていると「おっ、これ、ええブログネタやんけー」とふと思ったので、お伝えできる部分のみ以下に記載しておきます。
1.もういちどちゃんと運用の目的を決めましょう
SNSに携わってるあなたなら何度聞いたかわからないであろうこのセリフ。「目的」がSNS運用のすべての根幹です。以前に決めた目的のまま進めるのか、新たに異なる目的を設定するのかを決めてください。
「特に目的は決めずに言われるままSNS運用を始めた。そもそも他社はどんな『目的』を定めているのか?」という場合もあります。はい。他社さんではこんな感じで目的を定めています。
◆認知拡大。とにかくたくさんの人に自社そのもの、もしくは自社のプロダクトについて知ってもらう。
◆ユーザーとのコミュニケーション。SNSを通じてコミュニケーションを図り、企業とユーザーとの距離感を小さくする。メーカーなど直接ユーザーとの接点が少ない企業さんなどがSNS運用の目的として設定されることが多い。
◆売上拡大。SNSを活用して売上を伸ばしたり集客数を上げる。
◆宣伝。他のメディアでも展開している広告活動をSNS上でも行う。
◆告知。宣伝や売上、認知拡大などをSNSに求めるのではなく、自社が伝えたい活動を淡々と伝える。すでに企業やその商品についての知名度があり、社会貢献活動や採用のために社風を発信したいケースなど。
実際に私がクライアント様をサポートする時にはここから派生してさらに目的を細分化していくのですが、大きく分けるとこんなところです。
また、どれかひとつを選択しなければいけないというものでもありません。「告知しながらコミュニケーションも図りたい」とかでも全然いいです。正解はありません。あなたの会社の固有の状況をベースに、何をしたいのかを決めることが重要です。
2.どのSNSを活用するのかを決める
基本的には「流行ってるのはぜんぶやる」べきだというのが私の個人的な考えではあります。もともと営業職なので、労力も費用も少なく多くの人に知ってもらえるならやらなソンソンというのが根底にあったりするので。。
Twitterしかやっていない方もいれば、Instaのストーリーズばっかり見てる人もいます。Facebookもログインしなくなった人にとっては使えないSNSという認識をお持ちかもしれませんが、いやいやぜんっぜんアクティブです。
まずは特定のSNSしか利用していないユーザーに対して、そのユーザーがSNS内で検索した際に企業の公式アカウントが表示される状態にしておいてほしいのです。
とはいえいろんな企業さんを見ていると、すべてのSNSに同じ熱量を持って取り組むのは現実的に難しい場合がほとんどです。なので、目的に合わせてどのSNSをあなたの会社の主力SNSとするのかを決めます。
コミュニケーションを重視したいならTwitter、ビジュアルを中心に商品を見せたいならInstagram、ビジネスユーザーにアプローチしたいならFacebookやLinkedIn。もしくはSNS運用担当者がツイ廃だからとりあえずTwitterをやりましょかー、などなど。
説明がちょっと雑ではありますが、こうやって目的や体制と照らし合わせて主力SNSを決めます。主力SNS以外のSNSでも定期的に更新をしていただきたいところですが、人員的に厳しければネタを使いまわしても構いません。
ちょっと話は飛びますが、個人的に嬉しかったのは、意外とLinkedInに興味を持ってくださるお客様が多かったことです。
最近お伺いした企業さんのうち、結構な数の会社さんがLinkedInの企業ページをすでに持っておられ、残りの企業でも「LinkedInにもFacebookページみたいなのがあるんですか?」と、こちらが言う前に聞かれるケースもありました。
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3.KPIを(定めるのか定めないのかを含め)決める
SNSが普及しその効果を計測するために、エンゲージメント率、ファン・フォロワー数、口コミの数など「この数値をみるべきだ」という指標が多々提唱されるようになりました。
どれも正しいのですが、あなたの会社にとってどの考え方が正しいかはあなたの会社の人にしか判断できません。
たとえば、社内活動やCSR活動を確実に世に知らせたいという場合、エンゲージメント率をKPIとしながら「良かった、悪かった」と評価するのはナンセンスだったりします。
このようなケースでは、エンゲージメント率というKPIを達成するために、本来あなたが世に知らせたい内容とはかけ離れた、エンゲージメントが高そうな映える内容を発信するなど、本末転倒な状態になることもよくあります。
一方では確かに、何かしらのKPIを設定しないと運用が惰性になることもあります。なので最低限のKPIは設定するのがベターです。
ただ上記のように、KPIを追うことで本来の目的から逸脱することが無いようにKPIを低い数値にしたり、KPIを達成することの重要度を低くすることも考えてみてください。
なんとなく、日本企業にとってのSNS運用も過渡期であるように感じます。もしあなたの会社でも同じような問題を抱えているのなら、その運用目的から再度見直してもらうといいかもしれませんね。
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営業スタイル別に見た利用するべきSNSとは
/カテゴリ: ソーシャルメディアと営業職 /作成者: tamuranoritakaよっしゃ、んじゃ営業活動の中にSNSの運用を取り入れてみよう、という方針になったとしましょう。
ただ、今はひとことでSNSといっても選択肢は多様です。そして営業のスタイルも多様です。
なので今回は「こんなスタイルの営業さんはこのSNS使ったらいいんじゃないすか?」というお話をします。
◆常に新しいお客様を獲得することを重視している営業スタイルでは
広めることが得意なSNS、Twitterを活用しましょう。Twitterのユーザーは常にリアルタイムな情報を求めています。また、自分がほしい情報はTwitterの検索機能を使って調べる習性があります。
定期的に頻度を保って情報を発信しながら、Twitterのプロフィールや日々投稿する文章の中に、あなたが検索されたいキーワードを入れるようにします。
ユーザーが求めている情報があなたのアカウントから多く発信されていると、フォローしてくれたりするようになります。
あなた自身も他のユーザーをフォローしたりRTやリプライでコミュニケーションを継続して図りTwitter内での影響力が高まってくると、あなたのツイートを拡散してくれるユーザーも増加します。
情報が拡散されると今まで接点のなかった新しいユーザーにあなたの情報が届く確率も高くなります。
◆特定のお客様にくり返し購入してもらうような営業スタイルでは
BtoBで多いのがこちらのスタイルです。日本でお仕事をされている場合はFacebookが有効でしょう。
このスタイルの営業さんはTwitterほど情報を拡散させる必要はありません。
特定のユーザーと友達になって定期的にリアクションやコメントで交流しておくことによってお客様との接触頻度を確保することができます。
自分から発信する投稿はお仕事の情報の他に、見せられる範囲でのプライベートな情報を掲載しておくことで、お客様との距離を縮めることができます。
Facebookは利用者の年齢層も他のSNSに比較すると高めです。したがって、決済者や経営者が多いことも、営業職にとっては強みとなります。
「Facebookは終わったからいらない」とおろそかにしていると、このあたりの層へのアプローチが手薄になります。
お客様となる相手が海外の方の場合、海外ではFacebookはビジネスツールではなくプライベートの交流ツールであり、この使い方はあまりおすすめはできません。あくまでも国内限定です。
◆まずは自身の業務内容や扱っている商品を一定数のビジネスパーソンに知らせながら認知度を高めたい。
認知度の低い状態からとにかく多くのユーザーに商品やサービスの情報を知らせたい場合は、利用するSNSは多ければ多いほどよいという答えになります。
ただ、意外と新しいビジネスに対する情報に寛容なのがLinkedInです。そもそもLinkedInは基本的にはビジネスに特化しているSNSです。
FacebookやTwitter、Instagramのように「他の用途でも使われているがビジネスにも役に立つ」のではなく「ビジネスのためのSNS」です。
プロフィールに記載できる情報量もTwitterやInstagramとはケタ違いです。自分は何者なのかを詳細に記載しておくことで、初対面時の自己紹介もオンラインで済ませることができます。
LinkedInの日本国内ユーザーは200万人にとどまっていますが、逆に言うと国際意識の高いビジネス情報には敏感なユーザーが、他のSNSと比較すると多い印象です。
プロフィールの整備をしておくだけでもあなたにとって有効なツールになるはずです。
海外のユーザーがビジネスの相手方となるケースがある場合は、LinkedInの活用はマストです。今後、日本市場は確実に縮小します。LinkedInのプロフィールを早めに、入念に整備しておきましょう。
◆カタログを使って商品を説明することが多い営業スタイルのあなたは
このスタイルならInstagramやPinterestなど、ビジュアルに強いSNSを軸にしましょう。
iPadなど大きめの画面のタブレットを持っているなら、アカウントをそのままカタログとして交渉時にお客様と見ることもできます。
Instagramの投稿はFacebookと連動させることもできます。まったく層が違うユーザーが利用する2つのメディアを連動し、広く網を張るという活用法もあります。
私自身が営業をメインにやっていたとき、意識していたことは「一定の興味関心を持ってくれている、あるいはこれから興味関心を持ってくれるであろう方に、どうやって接触し、いかにしてその後の接触頻度を確保するか」という点です。
より効果的にあなたの営業スタイルや商品特性を活かせるSNSはどれなのか、参考に考えてみてくださいね。
あっ、ほんとは全部やるのがいちばんです。念の為。
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営業職の方がSNSを始めても何を投稿したら良いのかわからないみたいなので何を投稿したらいいのかを書いておきます
/カテゴリ: ソーシャルメディアと営業職 /作成者: tamuranoritakaSNSを自身のビジネスに役立てようと運用を開始した営業さん、特にTwitterの場合はとにかくなんでもいいので日々投稿頻度を確保してください。少なくとも1日に5投稿以上。
なぜTwitterでは投稿頻度を確保することが必要なのかはいろんなところで言っているのと、この記事の主旨とは変わってきますので詳しくは書きません。このあたりの過去記事をご覧ください。
→ 営業職に携わるあなたがSNSを活用するメリットとは
あなたのことを忘れられないためには接触頻度が必要なのです。Twitterでは投稿頻度の確保が必要です。FacebookやLinkedInではもう少し投稿頻度は低くても大丈夫です。
で、何を投稿するか、です。
基本は、いつもお客様に展開しているようなトークの内容をわかりやすくまとめて細切れにして投稿したら良いです。
たとえば不動産の営業だとしたら
一般的にマンションでは角部屋が人気がある。資産価値は確かに高く採光も優れている。ただ、家具の置き方が難しかったり、その分購入金額も負担が大きくなる。このあたりのメリット・デメリットを考えて本当に角部屋が必要なのかを決めましょう。
一戸建ては管理費が不要なのでマンションよりランニングコストが安くなる。確かにそのとおりなのですが、なぜマンションでは管理費が必要なのかを良く知ると一概にそう判断されるのは早計かもしれません。
新宿まで10分かからない京王線笹塚駅は昔から人気エリアですが、実は甲州街道を渡ると少しお買い求めやすくなります。手が届かないとお考えだったあなた、このあたりの物件ならご検討可能なのでは?
みたいなことを、日々ほかのツイートのなかに紛れさせながら書くわけです。プロっぽいでしょ。
で、いざ京王線沿線で不動産の購入を考えたとき「そういやいつも京王線の不動産のこと言ってる営業さんがいたな。。。」となれば、他の不動産営業より一歩抜きん出ることになるのです。
私は不動産営業出身なので不動産の営業に戻った気分で書きましたが、他の商品やサービスでもまったく同じです。
また、BtoBであろうがBtoCであろうが考え方はまったく同じです。実際、私の今のお仕事はBtoBです。この手法で毎月何件かのお問い合わせを頂いています。
いつも面とむかって話しているお客様に伝えている言葉をそのままSNSのコンテンツにしましょう。
SNSを始めて間もないころは、ある程度ネタも生まれてきます。しかし何週間、何ヶ月と投稿を継続しているとネタが切れてきます(厳密にはネタが切れたような気分になります)。なのでネタ切れ対策を書いておきます。
1.Yahoo知恵袋とかを使う
自分が扱っている商品やサービスについて、世の中の人はどんな疑問を持っているのかを検索してみます。あなたがまともな営業さんならすべての質問に答えることができるはずです。
たとえば、今Yahoo知恵袋で「京王線 不動産」と検索してみるとこういう結果でした。
これを見て私なら
・不動産の営業はネットに公開する前の情報を持っていることもよくあります。お客様からご相談を頂いたばかりの物件や、売主様のご希望で公開できない物件です。直接聞いてみると意外と狙った物件があるかもしれませんよ。
・京王線の朝のラッシュを避けたいなら、比較的混雑が少ない代田橋や下高井戸などの普通停車駅近くの物件を狙ってみるのもいいですよ。
など書くと思います。
2.前に書いたことをちょっとだけ書き換えてまた投稿する
ハッキリいいますが、SNSに投稿するネタなど日々こんこんと新しく湧いてくるものではありません。あと、多少投稿の内容が重複してたとしても「このネタ、前も投稿したよなぁ。。」などと考えるのはあなただけです。
あなたのアカウントをフォローして日々見てくれているユーザーも、あなたが1ヶ月前に何を投稿したかなど覚えてなどいません。堂々と使いまわしてください。
たとえばさっき書いたこれ。
・京王線の朝のラッシュを避けたいなら、比較的混雑が少ない代田橋や下高井戸などの普通停車駅近くの物件を狙ってみるのもいいですよ。
と投稿した1ヶ月後に
・京王線の代田橋や下高井戸などなどいわゆる普通停車駅は急行はとまりませんが、電車の混雑はちょっとマシだったりします。新宿駅までの所要時間も明大前や笹塚などとそんなに大きく変わりません。
とアレンジしたりするのです。
3.ブログに詳しく書いてそのURLをコメントを付けて投稿する。
SNSで他のユーザーと接触頻度を確保することは重要です。が、デメリットとして、SNSの投稿はその時に見てもらえないと他の投稿に押し流されて短時間で賞味期限が切れてしまいます。
一方、ブログ的なコンテンツを自社サイトやブログツールを使って残しておくと、のちのち検索から流入があったり、SNSの投稿として再利用できたりします。
せっかく思いついたネタを長くても数日の賞味期限であるSNSの投稿だけに使うのはもったいないです。
文章を書いたことが無い方にとっては最初はハードルが高いかもしれませんが、要は慣れです。各投稿の内容を1000文字程度にまとめてブログ的なコンテンツにして公開しましょう。
この記事の上の方でお見せした投稿例から展開するとしたら
「マンションは角部屋がいいと一般的には言うがデメリットはないの?」
「京王線笹塚駅徒歩圏内でも比較的お手頃なエリアは?」
「マンションでは必要な管理費積立金が一軒家では不要な理由とは」
みたいなタイトルの記事がかけます。公開したら記事のURLをSNSに投稿してブログに誘導します。
こうやってSNSの投稿やブログ記事をコツコツと投稿しておくことによって、あなたがその道のプロであり、必要となったときには最初に相談するべき人物であることを定着させるのです。
どの商品でもどんなサービスでも、主たる取引相手が個人でも企業でも、手法はまったく同じです。
これまであなたのお客様になってくれた方は、当初どんな悩みをもっていてどうやってあなたのことを知り、何を伝えたらお取引できる状態に至ったのかを振り返って考えると、投稿するネタには困らないはずです。
まあ、とりあえず、困ったらYahoo知恵袋さんに泣きつきましょう。
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営業職がSNSを始めたときに最初にやるべき3つの行動とは
/カテゴリ: ソーシャルメディアと営業職 /作成者: tamuranoritaka営業さんがお仕事でSNSを利用しようとしてみてよくある失敗例はこちらです。
アカウントを取得してみた
↓
何をしたらいいのかわからない
↓
とりあえず自社商品の宣伝宣伝宣伝!
↓
反応が無い
↓
疎遠になってログインしなくなる
↓
「やっぱりSNSを営業でなんか使えないよねぇ」
一定の割合でこの「営業SNSデフレスパイラル」にハマる方がいらっしゃいます。
まず大前提。SNSでの営業は始めて1ヶ月や2ヶ月で成果が出るものではありません。
じっくりと時間をかけてそのメディアの中で専門家としての存在感を定着させ、さらに常にコミュニケーションをとりながら接触頻度を確保して、少しずつ成果がでてくるものです。
数日や数週間で成果は出ません。結果がでるまで半年ぐらいは見ておきましょう。営業職ご本人だけではなく、SNSを活用した営業活動を推奨されている上役の方も、長い目で見てください。
私自身の経験からすると、上から早く数字を作れとやいやい言われると、SNSの投稿にも売り込みオーラが全開で出てしまいます。売り込みオーラが前面にでているアカウントは他のユーザーから敬遠されます。
成果が顕在化するまでは大変ですが、ひとたび引き合いをいただけるようになると、一定のペースで新たなお客様候補とお会いできるようになります。
では、時間がかかるとはいえ、SNSアカウントを開設したあといったい各SNSで何をすればよいのか、ざっと書いておきますね。
1.リアルで知ってる人とまずつながる
リアルな知人のアカウントとはオンラインで初めて会った方よりも、コミュニケーションが発生しやすくなります。さらに、他のユーザーにもアクティブな印象を与えることができます。
ただ、知ってる人とばかり絡んでいると内輪感がでてしまって逆に話しかけにくくなったりするので注意してください。
2.お客様になろうとしている人が悩んでいることを考えて投稿する
いま読んでもらってるこの記事は「営業でSNSを使いたいけどやり方がわかんねー」という方の悩みを解決してもらえるような内容を書いているつもりです。
「営業職向けのSNSコンサルをします!問い合わせてきてください!」とは書いていません。こういうことです。
果物屋さんなら「おいしいスイカの選び方」を、セキュリティ屋さんなら「セキュリティがない環境がどれだけ危ないものなのか」を、不動産屋さんなら「値下がりしにくい物件の選び方」などを書きます。
ポイントは「今まで会ったお客様が成約する前に悩んでいたことについての解決策」です。営業をやってたらこの種のネタは誰でも無数にあるはずです。これを定期的に書きます。
こういったノウハウ系の投稿は、時間が経過すると押し流されて誰も見なくなるSNSのフィードに書いておくだけでは足りません。フィードの投稿は一旦流れてしまうと、再度見られることはほぼ無いと思ってください。
自身のノウハウをしっかりと伝えたいコンテンツは、Googleにインデックスされるブログやサイト内のコンテンツとして発信するのがベストです。そのURLを改めてSNSのフィードに投稿して露出量を増やすのです。
いったんブログやサイトにアップしたコンテンツはこういう形で何度でもSNSの投稿として使えます。フィード投稿だとこうはいきません。
↓↓↓
3.お客様となり得る方が欲しているであろう情報を、他社発信のものであってもシェア・拡散する
自社の商品やサービスを宣伝するのではなく、あくまでもお客様になるであろう方にとって役立つ情報を発信しなければいけません。
そのためには情報の出元などにこだわっている場合ではありません。むしろ、競合が発信してくれた情報に自身の見解を付加することで、あなた自身の専門性を強化して見せることができるようになります。
「このアカウントをチェックしておけば○○についての最新情報が見られる」という状態にしておきたいのです。
そうするためには発信元が競合であるとか、この記事を書いた人とは仲が悪いとか言ってられません。いいものはいいのです。
ここでも上役の方は「競合の情報に触れるな」などと、心の狭いことを言っていてはSNSの本来のメリットを享受することはできません。おおらかにやりましょう。
細かく言うともっともっとやって頂きたいことはあります。が、まず上記のように「みんなの悩みを解決」しながら「他のユーザーとコミュニケーションを図る」ことを心がけてください。しばらく続けているとこうなります。
○○(あなたの商品ジャンル)についていつも詳しく言ってる人(あなたのこと)がいると認知される。
↓
しかもその人(あなた)は気軽にいろんなユーザーとコミュニケーションをとっている
↓
投稿頻度やコミュニケーションの数をキープして頻繁に接触することによって、あなたが専門家であることの認識が強化される
↓
SNSのフィード上で専門分野についての質問などが来るようになる
↓
その中からより話が深くなりそうな方とはDMから直接の面談へと繋がる
冒頭に書いた「営業SNSデフレスパイラル」とはえらい違いですね。売り込みはいつでも、ましてやこれだけ情報が氾濫している中ではリアルでもオンラインでも好まれないのです。
【参照】セールスにSNSを使おうと始めた人がやってしまうイヤがられる行動とは
少しずつ少しずつ、専門家アカウントとしてあなたのアカウントを育成してください。育てるまでは大変ですが、いったん育てると楽ですよ。
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セールスにSNSを使おうと始めた人がやってしまうイヤがられる行動とは
/カテゴリ: ソーシャルメディアと営業職 /作成者: tamuranoritaka自分はSNSを営業でゴリゴリ使ってまして、そのノウハウを踏まえながらいろんなところで「営業職の人は会社が許す限りSNSで情報発信しましょう」と伝えています。
そうすると中には早速TwitterやLinkedInでビジネス用のアカウントをつくって運用を始めてくれる方もいらっしゃいます。
お伝えしたことにすぐ取り組んでいただけることほど、コンサルタントとして嬉しいことはありません。
ただ、いままでお仕事でSNSを活用した経験があまり無い方は「それやっちゃうと逆効果なんだけどなー」という振る舞いをしてしまうケースもあります。
代表的なものを3つほど書いておきますね。
1.つながったらすぐにDMで売り込み
ツイッターでフォローしたりLinkedInやFacebookでつながったらすぐにDMをいただくことがあります。
「どこどこでお会いした○○です。こちらでもよろしくおねがいします!」的な内容がほとんどで、受信した側も気持ちいいものです。
ただ、そのあとに「私は○○という企業で○○という商品を扱っており、多くの方にご利用いただきたいと思っています。詳細をお知りになりたい場合はこちらをご覧ください→URL」
あ、だいじょうぶ。いま別に詳細はお知りになりたくありませーん。というかこの方と絡むとすぐなんか売られるんですねー。フォロー外そー。
となります。
2.他の人の投稿にコメントでマウンティング
たとえばあなたが「最近Twitterの利用価値が見直されている。改めて企業も腰を入れて取り組んだ方がいいのでは」という投稿をしたとしましょう。
その投稿のコメント欄に私が「そんなことはかなり以前から知られていることです。実際に、既に日本では○社が、世界でも○社がTwitterの公式アカウントを運用しています。まだTwitterをやっていない企業があるとは信じられません。」とか書いたら、どう思います?
この類のコメントを自分の投稿に書きこまれた経験は私も何度もあります。やるのはだいたいSNSを始めて間もないそこそこ社会的地位がある方です。自分はその分野に精通していることを反射的に言いたくなるのでしょう。
こういうコメントを見て「なるほどー、専門家から見たらそうなのかー。」などと思われることはありません。ひとこと「うっざっ」以上です。
3.他の人の投稿のコメント欄に自分のSNSやサイトのリンクを貼る
コメント欄に「それに似た機能を持つ商品をウチでも扱ってます!→リンク」「その近くで、私も〇〇のカンファレンスで招待してもらいました!これです!→リンク」
こういうコメントを見て「あ、便利そう!見てみよう!」などと、投稿者やそれを見ている投稿者の友達は思いません。
「あんたに聞いてない」「人の投稿から自分のサイトに誘導しようとしてるさいあくー」です。もはやスパムです。
営業という生き物は、常に周囲を見渡しながら、チャンスがあればそれをキッカケにして、いかに自社のビジネスにつなげられるのかを考えています。
そういう意味ではSNSのフィードに流れてくる多くのユーザーの投稿は、見方によってはキッカケの宝庫です。
ただ、一つ覚えておいていただきたい。
あなたがつながっている方によるSNSの投稿は「あなたにセールスをされるために行っているものではない」「あなたに教えを乞うために書き込んでいるものではない」という点です。
特に注意していただきたいのはコメント欄です。売りたい気持ちは、私も営業です、重々承知しています。
ただ、コメント欄での不快な振る舞いは、投稿した人だけでなく投稿者と既につながっている人にも同様の悪感情を与えます。
本人は他人のスレッドで専門知識を披露して悦に浸っているのでしょう。しかしこれからSNSを使って営業に活用しようと思っているあなたにとって、投稿者やそのコメントを見た他のユーザーが抱く感情を考えると、「2」や「3」のような振る舞いをすることによるメリットはひとつもありません。
1や3はまあ論外です。ぜったいにやめましょう。2の場合、ご本人は気づいていないこともあります。書き込む前に「マウンティングコメントになっていないか」を、もういちどよく考えてみてください。
SNSでの振る舞いがリアルな評判にも影響し、売上が落ちるという逆効果にならないためにも。
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営業職に携わるあなたがSNSを活用するメリットとは
/カテゴリ: ソーシャルメディアと営業職 /作成者: tamuranoritaka思えば、私が「インターネット」というものを活用しようと思ったキッカケは、阪神タイガースの情報を欠かさず収集する。。。ではなく、ゴリゴリのアナログ不動産営業をやっていた頃に「ネットってめっちゃ営業に使えるんちゃうん!?」と感じたことでした。
SNSといえば「マーケティング」という文脈で語られることが多いのですが、個人的には「セールス」でも活用すると、営業職のみなさんももっと楽になるのになー。。。というのが、自分のビジネスでもSNSとかネットを使ったセールスを15年ほどやってきての実感です。
感覚的には
・SNSが得意な人が営業のスキルを向上させる
よりも
・営業が得意な人がSNSも活用できるようになる
ほうが、成果を出すまでの期間が短い感じがします。元々、営業職として一定の成果を出されている方というのは比較的対人スキルが高い方が多いので、それをオフラインからオンラインに切り替えるだけでスムーズに利用できるようですね。
自分が不動産の営業をやっていた当時、毎月の数字はまあそこそこ作ってはいたものの、常についてまわっていた悩みは、大きなもので2つありました。
1.ある程度購入意欲の高いお客様とどうやって出会えるか。
不動産売買の営業をしていると、接するお客様のモチベーションというのは「来月転勤がきまった。
賃貸で借りようかとも思ってるけど、いいのがあったら買ってしまいたい!」という切迫したものから、「なんかキレイそうなのでモデルルームを見に来ましたー」という半分デート中のカップルまで、本当に様々です。
営業目線で見るとやっぱり「できるだけ早く買いたい!」というお客様を担当したいというのが本音です。
2.一度接触したお客様といかにそのあと接触頻度を確保するか。
不動産の購入を検討しながら不動産屋さんにコンタクトをとったことがある方はどなたも経験があると思うのですが、一度相談したあと頻繁に電話やメールでアプローチをかけられるはずです。
あれは、お客様の購入モチベーションを確認するという目的とともに、接触頻度を確保しておき、いざ購入するとなった段には自社の商品を優先的に検討してもらいたいという営業の意図もあったりします。
※ヘタクソな営業さんだと週に3回ぐらい「こないだ見てもらった物件はいかがですか?」とかおなじ内容の電話をしたりします。1日や2日でお客様の状況は変わりません。
これ、2つともネットとSNSで、今は解決できています。
まず、1。営業担当が購入意欲の高いお客様ファーストコンタクトをより多く獲得するには、ブログやSNSで自社商品、だけではなくその周辺情報を常に発信し続けます。
特にブログはコツコツ蓄積すると、検索からアクセスを獲得できるようになったり、SNSの投稿ネタとして時間が経過してから再利用したりできます。
実際に私が当時発信していたのは、年齢別・収入別の不動産の選び方、新築か中古かどっちを買うべきか、マンションか戸建てか、おすすめ物件の周辺情報、などです。
こういう情報を大量に発信していると、ぽつりぽつりとお問い合わせがいただけるようになります。
モノやサービス、あるいは対象となるお客様が個人なのか企業なのかが変わっても、表現や利用するメディアはそれぞれ合ったものにする必要はありますが、基本は同じです。あなたの顧客となりえる方はどんな情報をほしがっているのかを考えて、大量に情報を発信するだけです。
そして2。接触頻度の確保は圧倒的にSNSが得意とするところです。TwitterやFacebookでつながって、日々投稿することによって情報発信をしたり、こちらから先方の投稿にコメントや「いいね」などのアクションをとることによって、自分の存在を定期的に相手に認知してもらうことができます。
プライベートな繋がりをSNSで持つことに抵抗があるならLinkedInというビジネスに特化したSNSを活用することもひとつの手段です。
接触頻度の重要性については、暗記学習法などで用いられる「エビングハウスの忘却曲線」を目安に見てみると、イメージしやすいです。営業と顧客の関係においてこのグラフをそのまま当てはめることはできませんが、大きく乖離はしていないはずです。
参考 エビングハウスの忘却曲線(Wikipedia)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%98%E5%8D%B4%E6%9B%B2%E7%B7%9A
ひとは、1時間経過すると56%忘れる・1日経過するとインプットした内容の74%を忘れてしまうという結果です。
たとえば、いまこの記事を読んでいるあなたも、このあとお仕事に戻ったり、なんやかんやと忙しくするはずです。そうすると、ここに書いている内容の半分以上は忘れてしまい、明日になると7割以上忘れてしまわれるということです。悲しい。
でも、半日ほど経過してまたTwitterなどで私の投稿が流れてくると、どんなにその投稿がアホな内容でも、投稿を見た時点で私の存在を改めて認知するわけです。内容がこの記事とまったく関係なくても「あー、こないだ営業職とSNSのブログ書いてたひとだ」とか、アタマによぎるかもしれません。
なので、こんなしょーもない投稿でも意味はあるのです。
営業職を経験した方にとって、自分と相手との間で一定の頻度で接触することの重要さは、ご理解いただけると思います。
比較的購入意欲が高いお客様と出会える絶対数と確率はUPし、夜討朝駆突撃訪問や度重なる電話で煩わしく思われることもなく、時間も問わず相手と接触できる。社内の事情や規定、炎上しないための社内教育など、超えなければいけないハードルがある企業さんもありますが、メリットも大きいです。ぜひSNSを活用したセールス活動に取り組んでみてください。
※といっても「SNSのアカウントを取得して手当たり次第つながり申請をして、つながった相手に片っ端からDMでセールスをかける」みたいな手法は絶大な逆効果となります。いったん定着したマイナスイメージを取り返すことは大変です。そのあたりはまた書きます。
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「Pinterestを使わない意味がわからない」というのをもうちょっと細かいところまで書きたいので書く。
/カテゴリ: ソーシャルメディア /作成者: tamuranoritaka本日のセミナー最終盤でこんなスライドを使いました。
伝えたメッセージは「企業がPinterestを使わない理由がわからない」です。ほんの数分触れただけでしたので、しっかり伝えたくまとめてみました。
Pinterestというと、一般的には「主に若い女性が利用している画像のSNS」という認識が強いようです。PinterestがSNSなのか?という議論は置いておき、Pinterest関連で発信されている内容は女性を中心としたおしゃれ感を前面に出した切り口のものが多いように感じます。
現状ではコスメやアパレルなどの女性向け商品以外で、ビジネスシーンで利用されることをイメージされることはほとんど無いようです。
ただ、私はまったく異なる視点でこのメディアを見ています。結論から言うと、すべての企業が活用するべきツールであると思っています。理由を書きます。
1.他のSNSと異なりアカウントのパワーにこだわる必要がない。
TwitterやInstagramのようにフォロワー数の大小やエンゲージメント率は、私が考える「Pinterstの効果」に対してほとんど影響がありません。極論、アカウントを開設したその日から一定の「効果」を得ることも可能です。
2.では「効果」とは?
Pinterestを企業が活用するメリットは、私は「サイトや他のSNSへの誘導路」になり得ることであると考えています。具体的に言います。
ある画像をあなたが閲覧していたとします。画面を下にスクロールすると、Pinterest内に存在する「今見ている画像と似ている画像」をアルゴリズムで抽出してあなたに勧めてくれます。
その中の一つの画像をクリックして拡大表示します。発信者がその画像の中にリンクを仕込んでおくと、指定したサイトへ遷移します。仕込んでおくのはサイトに限らずInstagramなど他のSNSでも構いません。
※こちらのPinterest投稿。画像をクリックするとInstagramに遷移します。
3.運用の手間がかからない
私がTwitterアカウントの運用をクライアント様にサポートする際、「1日10投稿」「エゴサーチ」「リプライ対応」「トレンドにあったタイムリーなツイート」などの動きを日々していただく必要があると伝えています。手間をかける必要があるのです。ここで「人員が足りない」「時間が無い」などの問題が発生します。
Pinterestでは一切その必要はありません。アカウントを作成したらサイト内の画像をUPし、簡単に画像の内容をテキストで説明し、遷移先のリンクを貼っておけばあとはほったらかしで大丈夫です。Instagramを運用されている企業なら、Instagramに画像をUPしたあと、その画像のリンクを転載すればいいだけです。
メリットしかありません。これが本日私が「Pinterestを使わない意味がわからない」と伝えた理由です。
あえてデメリットを探してみます。日本でのPinterestのユーザー数は公表されていませんが、他のメディアと比較すると数百万人ではないかと推定されます。Twitterの4500万人、Instagramの2900万人と比較するとその影響力は極めて小さいものです。Pinterestを始めたからといって莫大なアクセスがサイトに流れ込むわけではありません。
日本でメディアの影響力が拡大するプロセスには一定の「型」があります。典型的なものは
step1 一般のユーザーが増加する
↓
step2 それを見た企業がメディアの規模感と影響を期待してアカウントの運用を始める
↓
step3 広告メニューが展開され、一般ユーザーと企業が共存する状態になる
TwitterもFacebookも、Instagramももれなくこのステップで影響力を拡大してきました。
しかし、Pinterestの特性を踏まえると、新たなパターンのユーザー数拡大stepを見ることができるのではないかと考えています。あくまで私の想像なのですが
step1 企業が大量にコンテンツをPinterestに投下する
↓
step2 Pinterest内の総画像数が日々更新されるため、一般ユーザーの利用頻度が向上する
↓
step3 一般ユーザーのメリットと企業とのメリットが合致し、ユーザー数が増加する
まず企業から拡大する、というパターンもあり得るのではないか、と思うのです。うまく転がると「企業・ユーザー・Pinterest社」全員が嬉しい三方よしメディアになるポテンシャルを秘めているのではないかと、私は考えています。
私の(妄想に近い)仮説にすぎません。いずれにしても確実にお伝えできるのは「企業にとってデメリットが無いメディアを利用しない理由はない」という一点です。
手間はかかりません。たちまち大きな効果が出るわけでもありませんが、デメリットはなく炎上もありません。もしあなたが企業のメディア担当なら、まずはアカウントを取得してInstagramの投稿を転載してみてください。
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雇用したアルバイトのソーシャルメディア投稿による炎上を防ぐことはできるのか
/カテゴリ: ソーシャルメディア /作成者: tamuranoritaka某レンタルDVDチェーンのアルバイトさんのツイートがキッカケとなり、本部が謝罪メッセージを公表するという事態が発生しています。
>>店舗アルバイトスタッフによる個人情報に関する投稿について
自身の考えと異なるお客様による店内での言動をとらえ、そのお客様の「個人情報を扱える立場におり、公開することもできる」と発信(半ば脅迫)したことが炎上を招きました。
従業員の発信による炎上というパターンのトラブルは忘れた頃に大きいのがやってきます。以前も製薬会社の社員が自社の商品を持ち出し悪用していたことを匿名で投稿していたケースや、コンビニや飲食店のアルバイト社員が衛生的に問題のある画像を投稿していたケースなど、匿名(すべてのちに特定されるのですが)の従業員による投稿が発端となる炎上が発生しています。
いまは以前と比べてソーシャルメディアリテラシーも向上していますが、まだまだ気を抜くとダメですね。
アルバイトさんを雇用する側から見ると、今はもはや全員がスマホを持っており、かつ、全員がなんらかのSNSをやっていると考えて対処する必要があります。どんな形態であれ「誰かを雇う」という立場であれば、従業員によるSNS炎上はすべての雇用主が持つリスクであると言えます。
交通事故のようなもので、すべての炎上を100%発生しないようにすることは非常に難しいですが、その発生確率を低下させることはできます。
私が
・アルバイトを雇っている、もしくはアルバイトを雇う可能性がある
・一般のお客様を対象としているお仕事である
・多店舗展開している
という条件が揃っているクライアント様に必ず伝えていることを書いておきます。
1.「ソーシャル禁止」は禁止!
いまどき、ソーシャルメディアを禁止しても絶対にやります。言ってもムダです。
2.アルバイト社員はTwitterなどのアカウントを持っていることを前提に、絶対にやってはいけないことを明確に箇条書きで提示してください。
・お客様の容姿や言動に対する発言
※お客様のことを悪く言うことは当然ダメですが、良く言うことも控えてください。「そんなところまで見ているのか!? きもちわるっ!」と炎上のキッカケとなるケースもあります。お客様と一緒に写った画像等をUPする際には、必ずその旨を伝えてからにしてください。
・公開前情報の言及
・従業員であるかお客様であるかを問わず、電話番号や住所をはじめてとした個人情報を言及すること
このあたりを抑えておけば、大半のトラブルは避けることができます。
3.上記に抵触した場合、事業そのものに影響を及ぼすケースもあるが、何よりも本人が多大なダメージを被ることを伝えておく。
今やソーシャルメディアで炎上した人物は発覚後数時間で特定されます。実名はもちろん、通っている学校・電話番号・住所・内定した企業名・家族構成など、ありとあらゆる情報が短時間で明らかにされてネットで公開されます。
事例を集めて雇用時に示しておき、アルバイトさん本人にリスクを認識してもらうことが効果的です。「解雇する」「損害賠償を請求する」と脅すのではなく、本人に発生するデメリットとして事実を示すことです。
※追記 炎上事例を定期的に共有する
2019年、2月になってチェーン店アルバイト従業員の炎上が相次いでいます。ここで「何をしたら炎上するのか」を、実際のサンプルを使ってメンバーに共有してください。周知しておくだけで一定の抑止力があります(100%は無理なんですけどね。。)。ここ最近の傾向としては、
が多いようです。
また、こちらのアカウントでは直近の炎上事例をまとめてくれています。こちら見ておくだけでも効果がありますね。
炎上はソーシャルメディアの負の側面ですが、現場にいると報道されているイメージほど頻繁に発生するものでもありません。企業アカウントの運用だけでなく、従業員のソーシャルメディア運用にも正しく対応して、不要なトラブルは避けるようにしましょう。
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地方自治体がもっと積極的にInstagramやTwitterでアピールするべき理由がここにございますはい。
/カテゴリ: ソーシャルメディア /作成者: tamuranoritakaこの7月、のちに「平成30年7月豪雨」と命名された大規模な水害が発生しました。発生当初はマスメディアのニュースや主要なネットのニュースサイトでも連日災害に関する情報を見ることができました。しかし2ヶ月経ったいま、東京に住んでいる私には被害を受けた各地の復興状況などの情報はほとんど入ってきません。
検索をすれば地元ニュースサイトなどの情報はヒットするのですが、こちらから取りにいかなければ知ることができない情報が多いことに驚かされます。
当時、主に被害が報道されていたのは岡山県であったり、広島での野球の試合が中止になったりという状況でした。現地の外に住んでいる人はそれらの情報を見て、なんとなくざっくりと「広島や岡山の付近が大きな被害にあった」というイメージを持っています。
そして、勝手に「いま広島とか岡山に行っても交通とか不便そう。食材も入手しにくかったりするんじゃなかろうか。」と思っています。そして、行くのをなんとなくやめて違う地方に行くことにしたりしています。
しかし、実際の現地の状況はというと、確かに甚大な被害を被りいまも懸命に復旧作業を継続されている場所もある一方で、被害は極めて小さく災害前と何ら変わらず生活できているエリアもあります。外部の人が遊びに行っても以前と変わらず楽しめるエリアが多くあるのです。
岡山県倉敷市の美観地区もそんな地域のひとつだそうです。
倉敷美観地区とは(wikipediaより)
江戸時代初期の寛永19年(1642年)、江戸幕府の天領に定められた際に倉敷代官所が当地区に設けられ、以来備中国南部の物資の集散地として発展した歴史を持つ。倉敷川の畔から鶴形山南側の街道一帯に白壁なまこ壁の屋敷や蔵が並び、天領時代の町並みをよく残している。1969年に倉敷市の条例に基づき美観地区に定められ、1979年(昭和54年)に県内2件目の重要伝統的建造物群保存地区として選定された。
江戸時代から明治・大正・昭和初期に建てられたの建築物が現存、四季ごとにお祭りなども催され、観光地としても人気のエリアです。
この人気エリアにも、「風評被害」と呼ぶには少し異なる、報道されないことによる訪問客の減少が目立っているようです。
「倉敷はだいじょうぶですよー」と言いたくてもエリア外の人には伝えることが難しい。それこそ大阪や名古屋や東京にいる人は「倉敷が大丈夫」などという情報は、普通に暮らしているとほぼ入ってきません。
そーこーで!ソーシャルメディアです。マスメディアに頼らなくてもその手にあるスマートフォンから、日本全国のみならず世界へも「倉敷は大丈夫ですよー」と発信することができます。
ということで先日、kakeruの三川編集長と、同じくkakeruの鵜ノ澤さんが現地に飛んで、現地でご協力頂ける方を集ってこんな試みを行いました。
くらしきフォトウォーキング
★実施された内容
【第1部】 SNSで情報発信するメリットとコツ・イベントハッシュタグの投票
【第2部】 写真の撮り方講座
【第3部】 美観地区フォトウォーク
【第4部】 スマホアプリVSCOのお手軽編集講座
座学あり実技ありのもりだくさん。
フォトウォークで撮影された画像は、ハッシュタグ「#くらしきすたぐらむ」をつけてTwitterやInstagramに公開されています。
ほら、全然倉敷はだいじょうぶ笑
関西に住んでたときにいつも思っていたのですが、東京の情報は地方にいてもある程度入ってきます。京都でテレビを見ているのに「ちょうど今、六本木では雨がふってきました。。」とか言われてもどうしようも無いのになー、とか。
しかし逆、地方の情報をこれまでの枠組みの中で全国に伝えることは難しいのが現状です。
岡山の水害のあとも、北海道の地震・関西の台風被害と、今年は例年より災害が発生する頻度が高くなっています。でも、正しい状況を発信しないまま人の動きまで鈍くなると、いわゆる二次災害、影響は大きくなるばかりです。
そのエリアで生活しているとあたりまえの状況も、離れた場所にはまったく伝わっていません。特に地方自治体や地方でビジネスを展開されている方は、「ソーシャルメディアはよくわからないから」と避けるのではなく、むしろソーシャルメディアを有効に活用して実態を正確に発信してください。
kakeruの女子たちに相談すると、いーい感じにしてくれますよ。

>>西日本豪雨後に倉敷市民と一緒にフォトウォークをやってみた #くらしきすたぐらむ
最近、私が講演やセミナーなどでみなさんにお話しするとき、最後に必ず伝えることがあります。ご出席いただいた方はご記憶があるのではないでしょうか。
—
もはや「ソーシャルメディアをやるべきか否か」ではなく「ソーシャルメディアで何をやるべきか」を考える時代です。企業であろうが個人事業主であろうが、そして地方自治体であろうがそれは変わりません。
—
情報が正確に届いていないことによる地域外のひとたちのあらぬ誤解、いや「勘違い」をソーシャルメディアを使って払拭です。岡山も広島も、関西も北海道も、そして東北も熊本も、もっともっともっとできることはあるのではないでしょうか。
田村でした。
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