ビール各社 Twitterアカウント比較


キリン アサヒ サントリー ビールブランド ツイッター効果比較

 

こないだはプロ野球12球団のFacebookページ比較をしたのですが、せっかく夏なので夏らしい企業さんの比較をしてみようと思います。

夏らしいと言えばビール。僕はあまりお酒が飲めないので、どのビールを飲んでもあまり味はわからないのですが(すいません)、飲みに行ったときとかに銘柄を指定している人を見ると、それぞれしっかりファンを掴んでおられるんだなー、と感じます。

今回はビールメーカーのTwitterアカウントを比較します。最初は「フォロワーが多いのはキリンさん・アサヒさん・サントリーさん・サッポロさんあたりかなー」と当たりを付けていたのですが、この記事を書くにあたり改めて調べてみました。

すると、「キリンビール」「アサヒビール」のフォロワー数が抜けており、サントリーさんには「サントリービール」というブランドアカウントはありませんでした。

その代わりサントリーさんには「サントリーザ・プレミアム・モルツ」「サントリー ザ・モルツ」というアカウントがあったのですが、キリンさんやアサヒさんのアカウントとはフォロワー数に大きな差がありました。同等に比較するのはちょっと難しいかなという印象です。

以下いくつかグラフや数値を掲載しますが、これは2017/8/13を起算日として過去30日間遡ったものになります。この期間、1年で最もビールが消費される時期に近いのではないでしょうか。

 

ビールブランド各社Twitterアカウントフォロワー数比較

ビールブランド ツイッター比較
キリンビール 653,687
アサヒビール 625,883
サッポロビール 56,893
サントリーザ・プレミアム・モルツ 137,059
サントリー ザ・モルツ 40,937

実質、キリンさんとアサヒさんの一騎打ちの様相ではありますが、フォロワー数だけではTwitterの影響度を図ることはできません。もう少し細かく見てみましょう。

 

ビールブランド各社Twitterエンゲージ数比較

キリンビール Twitter
キリンビール 90,682
アサヒビール 1,309,803

フォロワー数は3万ほどキリンビールの方が多いのですが、エンゲージ数(RT・引用ツイート・いいね)は大差でアサヒビールがリードしています。キリンビールさんはアサヒさんの7%ほどしかエンゲージを獲得できていません。

アサヒビールさんのコンテンツはそんなに面白いのでしょうか。もしくはキリンビールのコンテンツがくだらなすぎるのでしょうか。もうちょっと掘り下げてみましょう。

 

ビールブランド各社 Twitter「いいね」獲得数比較

各投稿につけるいいねです。もしよかったら僕がこの記事を紹介したこちらのツイートに「いいね」つけておいてください笑。

プレモル Twitter
さきほどの「エンゲージ数」と比較すると、アサヒさんとキリンさんの差はそれほどでもなくなっています。
キリンビール 29,161
アサヒビール 47,754

キリンビールさんはアサヒビールさんの61%ほど「いいね」を獲得しています。エンゲージ数が大差である理由はここではないと。ということで他の指標もチェックします。

 

ビールブランド各社 Twitterリプライ数比較

アサヒビールツイッター
こちらも「いいね」と同じぐらいの数値の開きです。全体のエンゲージメント数比較でみられたほどの圧倒的な大差ではありません。

キリンビール 2,857
アサヒビール 4,613

キリンビールさんはアサヒビールさんの62%のリプライを獲得しています。数値で見ても「いいね」獲得数とほぼ同じ水準の差であることがわかりますね。

 

ビールブランド各社 Twitter RT数比較

サッポロビール ツイッター
さて、キリンビールさんとアサヒビールさんのエンゲージメント数が大きく異なるのは、ここに原因がありそうです。

RT数は
キリンビール 30,444
アサヒビール 375,749

圧倒的な大差です。アサヒさんはキリンさんの12倍以上のリツイートを獲得しています。

 

ここまで、数値のみを見て推測できることは以下のとおり。

1.Twitterの世界の中でのビール戦争は、キリンビール・アサヒビールが2強。

2.アサヒとキリンではフォロワー数だけ見るとややキリンビールが上回っているものの、大差は無い。

3.アサヒビールのエンゲージメント数は他社を圧倒しており、告知効果も最大。

4.特にアサヒビールはRTの獲得数がズバ抜けており、ユーザーが反射的に拡散したくなるようなコンテンツを発信できている。

4′.キリンビールは「いいね」やリプライは獲得できているものの、RTが少ないためにアサヒビールに大きく差を開けられている。

となります。

 

ただ、数値だけでは判断できません。実際にどんな投稿をし、どんなコミュニケーションが発生しているのか、実際のツイートを見てみましょう。まずはアサヒビールさんから。

と、まずアサヒビールさんのツイッターアカウントを開いて目に止まったのがこのツイート。

画像もいいんですが、テキストの記載がいかにもTwitterな感じです。

ハッシュタグも巧みに活用されています。

まあひとつ言っちゃうと、Twitterユーザーはこのトゲトゲ爆発表現結構好きです笑

これも面白いですね。こちらは投稿された数日前に「ドラゴンクエスト11」が発売されており、それに乗っかったカタチでしょう。こういう風に「遊べる」アカウントは強いです。現時点で446RT獲得しています。

てっきりトップに大々的なフォロー&リツイートなどのキャンペーンツイートを貼り、広告を併用しながらRTを獲得されているのかと想像していたのですが、そうでもないようです。

もちろん、タイミングを見計らいながらキャンペーンは実施されているのでしょうが、どちらかと言うと地道にTwitterユーザーが好みそうな表現で情報を発信し、共感を得ながらRTも獲得しているという運用ですね。

 

対してキリンビールさんはどうでしょうか。

山の日に麒麟が山に昇っとるヤッホーwww 1,213RT獲得しています。

アサヒビールさんの投稿と比較しても遜色がないどころか、この投稿だけを見るとRTはもっとたくさんとれそうです。さらに遡ってみましょう。

ちょっと告知的な投稿が続きます。RTも100に満たず、さきほどのヤッホーツイートと比較すると、やや告知効果は下がる印象です。TwitterAnalyticsで見たインプレッション数も小さな数字になっているのではないかと想像できます。

ただキリンビールさんのアカウントで特徴的なのはこういうのです。

なんとなく、いい意味でつくりこまれた感が無くて、中の人が動きながらその場でツイートしているような投稿が結構あります。

「ひと」が見えるとフォロワーは何か言いたくなります。こういう投稿が「リプライ」を呼び、アサヒさんとはエンゲージメント数は大差でも、リプライ数はそこまで大きく差が開いていない要因なのではないでしょうか。

 

まとめてみます

今回、もうちょっと多くのアカウントを比較したかったのですが結局は2強、アサヒビールとキリンビールのアカウント比較にとどまってしまいました。

上記2つのアカウントを比較すると、「数」ではアサヒビールさんが圧倒しています。

ただ、キリンビールさんのアカウント運用もアサヒビールさんにはない特徴があり、一概にどちらが良いとは言えないなーと感じています。

「とにかくフォロワーとRTを獲得し、情報をどんどん拡散するべし!」という方針ならアサヒビールさんのような運用が良いでしょう。ある意味王道かもしれません。

ですが、中の人の業務風景を見てもらいながら、既存のファンに加えてそれを見た他のファンにも親近感を感じてもらう、という役割を、キリンビールさんのアカウントでは十分に果たしているようにも見えます。

要は「どういうアカウントにしたいのか」「Twitterを使って何をしたいのか」という目的を決め、その目的と実際の運用状況を照らし合わせながら改善していくことが必要なのではないかと、改めて感じた次第でございます。

 

「自分の業界はどうなってる??」と調べてほしい方がいらしゃったら、Twitterでリプライでも飛ばしてください。時間あったら調べてみます。

「いや、自社と同業他社で見てみたい」という場合は個別対応になります。見積もり出しますので別途お問い合わせを。

 

田村でした。

 

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