阪神タイガースのインスタグラムに見る人気企業SNS活用のヒントとは


2017年5月5日、阪神タイガースがInstagramに公式アカウントを開設しました。阪神タイガースでは近年FacebookページやTwitterなどのソーシャルメディアに力を入れており、のみならず「虎テレ」などで主催試合を動画配信するなど、ネット・スマホでのPRに力を入れています。虎好きとしてはたまらなく嬉しいです。

一般企業に比べるとまだまだネット対応に遅れをとっている日本のプロ野球ですが、ようやくここに来てようやく今のユーザーの動向に沿った形での情報提供が充実してきた感じですね。

 

そこで阪神タイガース。前述のとおり今年の5月5日こどもの日にInstagramが開設され、1ヶ月ちょっとで48,000人のフォロワーを獲得しています。とても良い滑り出しを見せているのですが、どのようにファンとコミュニケーションをとっているのかもう少し突っ込んで見てみましょう。

 

まずプロフィール文。
阪神 インスタ
非常にシンプルです。既に知名度があり、公式アカウントが存在するだけでフォロワーを獲得できる企業や団体の場合はこれで十分です。露出頻度の高い広報担当者さんなどがいらっしゃる場合はお名前を記載しても良いかもしれませんが、担当が代わった際のリスクなどもあります。

 

そして開設一発目、最初の投稿はこちら。


阪神タイガースの人気キャラクター、キー太くんによる開設宣言でスタートしました。

 

ファンの前では見せない選手の表情が並んでいます。1日2〜3枚のペースで投稿されています。

 

このあたりの画像など、撮影者である広報担当者さんと選手との関係が良いことが、画像から感じられますね。

 

5月6日、早くもフォロワーが1万人超えた時には笑


この選手たち、特に左の髙山選手と右の北條選手は基本笑わないキャラです。野球中継ではいつも真剣な表情でプレーしています。その中で「なんでそのカオやねん!喜びぃや!!」とツッコミをいれたくなるようなこちらの投稿に、ファンは喜ぶのです。

 

球団公式インスタグラムが開設されたことを知った外国人選手から「この画像インスタに使ってもいいぜ」と、自撮り画像が広報担当者さんに送りつけられてきたそうです笑。

 

snowも使ってる!

 

あと、こちらの画像。ある日の試合前のスナップショットです。

本日の練習前の松田投手&藤浪投手! #阪神タイガース #松田遼馬 選手 #藤浪晋太郎 選手 #練習いってきます #のポーズ??

阪神タイガースさん(@hanshintigers_official)がシェアした投稿 –

写っているのは2人ともピッチャーなのですが、実はこの日の試合ふたりとも結構打たれてしまいました。コメント欄を見てみると結構辛辣なコメントもあります。しかしそれ以上にふたりの投手に対する応援とアップしてくれている広報さんへの感謝が感じられるコメントが並んでいます。

 

阪神タイガースというチームは、日本のプロ野球の中でも読売ジャイアンツに次いで歴史があるチームです。2016年の観客動員数も全12球団の中で2番目という人気球団です。

人気球団だけに、インスタグラムをはじめとするソーシャルメディアの活用には議論が繰り返されたのでは、と想像されます。上に挙げた事例のように意図しないコメントが書き込まれることもあります。勝ち負けや選手のプレーの良し悪しがありますので、ユーザーから非難を受けるリスクは一般企業の比ではないはずです。

というところを見てると、知名度のある企業がソーシャルメディアを展開する上でのヒントが、阪神タイガースのインスタグラムには隠されているような気がするのです。

 

1.基本好かれているアカウントは少数の非難などもろともしない。

みんなで盛り上がっているところにひとりで「練習しろバーカ」とか書いてても浮きます。逆にヘンな人に見えます。

 

2.やっぱり「裏側」を見せると強い

オフィシャルな情報を見ているだけでは見えないところを出すと、やっぱり喜ばれます。JALさんやANAさんのFacebookページとかでもそうですよね。

 

3.投稿を担当しているひと自身が楽しむ

今回の阪神タイガースのアカウントがどのように開設にいたったのか、僕には知るよしもありません。しかし、担当である広報さんと選手の関係が非常に良好であることが、投稿画像から滲み出ており、さらにテキストもシンプルですが楽しんでおられるように見えます。それを感じたフォロワーがさらに楽しく感じるという好循環が生まれているのです。

 

まあ、ここんとこタイガースは調子いいのでいいですが、もし成績が落ち込むようなことがあればその時こそ広報さんの腕のみせどころですね。

 

田村でした。

 

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